第52話 今後は。
俺達三人はクリストフ中将のところまで向かった。
そして受け付けに案内され、アルファンスを先頭に部屋へ入っていった。
「失礼します」
すると、クリストフ中将はアルファンスを睨み、質問した。
「何が起きたんだ?色々な報告を聞いているが、テロやスパイなどの話を聞いているぞ」
その発言に俺は申し訳なくなった。
そしてアルファンスは報告をした。
「屋内第3射撃場にて共鳴が発生しました」
「共鳴だと?」
クリストフは驚いていた。
「はい、帝国で使っている14式帝国共鳴小銃を使用した実弾訓練を行っている際に、ハルトだけは魔法石が反応しなかったのです」
「それで………?」
クリストフは葉巻に火をつけ、聞いた。
「その前に製造日が古いC96をハルトに使わせたのですが、それは難なく射撃ができたのです」
「そこで一つ、試したいことがあり屋内第3射撃場に向かったのです」
「そして旧世代の兵器を使わせた結果、閃光を放ちながらあの大きな爆発を起こしたのです」
そしてアルファンスは訴えかけるように言った。
「……ハルトは高密度の結晶化された魔法石なら共鳴を起こせる」
「つまりは彼は帝国軍にとって必要な存在という事が判明しました」
アルファンスからの報告を聞き終わると、クリストフは黙り込んだあとに秘書を呼んだ。
「今回の事件は全て隠蔽しろ、火薬による爆発ということで良い」
すると秘書は静かに頷き、部屋から出ていった。
そしてクリストフは俺の方を見て、話した。
「撃った時はどういう感覚だった」
俺はその時の事を話した。
「分からないが……胸の奥底から何かがこみ上げたんだ……」
するとクリストフはそれを聞き、説明した。
「共振という物は特定の状況や状態にならなければ起きない事象だ」
「例えば怒りに感情を支配された場合だ」
「感情を支配される……?」
その言葉にクリストフは頷いた。
「もしギューテが目の前で殺されたらどうする」
その言葉に俺の心の奥でズキッと重い痛みがした。
「……絶対に起こさせません」
「これは例えばの話だ」
クリストフは続けた。
「魔法石というものは帝国が生産している物と、地表の奥底にある自然の物がある」
「ああ、アルファンスやギューテに教えてもらった」
そう言うと、クリストフは「なら話は早いな」と言った。
「人工魔法石は量産はできたとしても、全てを再現できていないんだ」
「魔法というものは感情など様々な因子があってこそ、発動する」
「そうだろう?ギューテ」
するとギューテは少し驚いたが、頷いた。
「は……はい、僕も治療魔法を発動する最は、助けたい、治したいという気持ちを思ってやってます」
「だが、人工魔法にはそれが無い」
俺は言った。
「つまり設計通りに動くが、使ってる人の意思は汲み取れないってことか?」
「そういうことだ」
「君は自然界にある魔法石との相性がとても強い」
「そして、君のような能力を持っているのはごく少ない」
「他にもいるのか?」
質問すると、アルファンスは言った。
「神に近いと言われている、教皇や各国の皇帝や国王だけだ」
その言葉に俺は驚いた。
「ハルト、君が思っている以上に帝国は君を欲している」
「……だがその逆もある」
「魔法を極端に毛嫌っているものや、神以外は持ってはならないという考えがいるんだ」
「……つまりは過激派ってことか?」
そういうとクリストフは頷いた。
「だが安心したまえ、今回の件はこのメンバー以外は極秘とする」
「君の身の安全は保証してやろう」
「ああ……ありがとう」
するとギューテがクリストフに質問した。
「ではこの後は?」
するとクリストフは答えた。
「……いつも通り学べは良い」
俺は呆気に取られた。
「何かあるまではしっかりと授業を受けるように、いいな?」
「お、おう」
そういうとクリストフはニヤッと笑った。
「ではこの件は終了だ」
「わかりました、では失礼します」
アルファンスはそう言い、俺達三人は部屋から出ていった。




