第51話 俺の能力
「よし、さっきと同じように撃ってみたまえ」
俺は的に標準を合わせた。
深呼吸をし、引き金に指をかける。
心の準備が終わり、引き金を引くと心臓、いやもっと深いところから何かがこみ上げてきた。
その瞬間、ライフルから白く淡い光線のような物が的を貫き、大きな破裂音と爆風が俺達を襲った。
「くっっ」
「きゃあ!」
そしてその光は徐々に消え、辺りは静まり返った。
その光景を見た俺は開いた口が塞がらなかった。
「何があったんだ!」
アルファンスが俺に詰め寄った。
「わからねぇ……ただ胸の奥から何かがこみ上げた感じがしたんだ」
するとギューテが俺の腕や体を確認し始めた。
「大丈夫?!怪我とかしてないかい?!」
「大丈夫だ、痛みもない」
俺の言葉にギューテは安心した表情になった。
「それは良かった……でもあれは一体何なんだい?」
アルファンスは何かを考え、話した。
「レゾナンス……もしかしたら君は古代の魔法を扱えるのかもしれない」
「古代の魔法?それってこの銃に使われている自然の魔法石と同じってことなのか?」
そうアルファンスに聞くと、頷いた。
「我々が思っている以上だ……ハルト君、君はエトムント大将が言っている通り帝国の英雄になる!」
興奮気味のアルファンスだったが、ギューテは上を見て固まっていた。
「あ……あのー、アルファンス少佐……」
「どうしたんだギューテ?」
「天井に大きな穴が空いているけど……」
「あっ」
俺とアルファンスは慌てた。
「お、俺は関係ないぞ!アルファンスにやれって言われたんだ!」
「くっ……貴様見捨てるのか?!」
その光景をギューテは呆れたように見ていると、射撃場のドアから複数の腕章を着けた男が現れた。
「何があったんだ!」
「憲兵じゃねえかよ!」
俺は驚き、アルファンスの後ろに隠れた。
すると憲兵達はアルファンスに気付き、近づいた。
「これはアルファンス少佐、何があったのですか!」
「あ……いや……これは機密事項だ、とりあえず君たちはここを次の指示があるまで封鎖したまえ」
そう言うと憲兵達は「了解しました」といい、辺りを封鎖し始めた。
「……なあアルファンス、大丈夫なのか?」
するとアルファンスは顔を引き攣らせながら言った。
「クリストフ中将に説明すれば何とか……」
するとギューテがぼそっといった。
「修理費高そうだね……」
「確かにな……」
俺とギューテが深々と頷いた。
「と……とりあえずクリストフ中将のところへ急いで向かおう」
「そうだね……僕も早く向かったほうがいいと思うし……」
そうして俺達はクリストフ中将の部屋に向かった。




