第50話 魔法石の歴史、そして事実
アルファンスに付いていくと、屋内第3射撃場と書かれた場所についた。
そしてアルファンスが扉を開けると、そこは広々とした場所だった。
「なんでここに連れてきたんだ?」
俺はアルファンスに質問すると、アルファンスは答えた。
「ギューテ君の発言でもしかしてと思ってな」
「僕の発言……?もしかして銃が人を選んでるって事?」
するとアルファンスは頷いた。
「ハルトくんが撃った銃を覚えているか?」
「C96とResonanzgewehr14だったね」
そしてアルファンスは説明を続けた。
「Resonanzgewehr14とC96は製造日が全く違うんだ」
「どういう事なんだ?」
「製造されたときの魔法石の質で変わるって事さ」
そう言い、アルファンスはロッカーの鍵を開け、一つの銃を俺に手渡した。
「これはResonanzgewehr88だ、さっきまで使っていたResonanzgewehr14の先輩だ」
「つまりは古い兵器ってことか」
「そういうことさ」
そしてアルファンスは説明を続けた。
「その銃はResonanzgewehr14より密度や性能が全く違う魔法石を使用してるんだ」
するとギューテは「僕その話を聞いたことある」と言い、続けた。
「当時魔法石の生産が工業化されてなくて、鉱夫や職人の手で掘られた魔法石を使ってたんだよね」
その話にアルファンスは頷いた。
「その通りだ」
「魔法石というものは地表深くに埋まっていて、深ければ深いほど高精度の兵器が作れると言われていた」
「しかしそれだと小銃などが大量生産できなかったんだ」
俺は言った
「確かに手掘りだと沢山には作れないな」
「そうだ、だから帝国は魔法石を人工的に生産するようになったんだ」
「魔法石を?そんな簡単に生産できるのか?」
するとギューテは低いトーンで俺の疑問に答えた。
「……色々な種族が犠牲になって大量生産ができるようになったんだ」
「どういう事なんだ……?」
嫌な予感がする。
「当時、帝国は他の列強を追い越す為に、魔法が使える種族の血を大量に採取して研究をしたんだ」
「魔法を解読できれば大量生産できるって……」
俺はギューテからの説明を聞き、何も言えなくなった。
「そして帝国は魔法石の大量生産に成功した。でもその代償は大きかったんだ……」
するとアルファンスは一言を放った。
「異種族による幻想郷を作ったんだ。ノヴァリア人民防衛評議会という国をな」
「ノヴァリア人民防衛評議会?」
「ああ、彼等は帝国や他の国で虐げられていたんだ」
「そして各国の異種族が本当の平等を求めるために、セビア共和国に集まり独立をした」
俺はその話にこの世界の深刻さを目の当たりにした。
そしてアルファンスは話を戻すように言った。
「だがその大量生産された魔法石は天然の魔法石より質が悪いんだ」
「そこで、君に試してほしい」
そう言い、アルファンスは手に持っていたResonanzgewehr88を俺に手渡した。
「もしこれで撃てたり威力が上がる事があれば、君は何かを持っているってことだ」
「……わかった、やってみる」
そして俺はアルファンスから弾薬を受け取り、射撃体勢に移った。




