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第25話 俺のシナリオ、世界のシナリオ(2)

俺は自分の頭の中に思い浮かんだシナリオを説明した。

「まずはランリア=グルリア帝国がセビア共和国に宣戦布告をするだろう」

「そしてセビア共和国を守る為にとローリア帝国がランリア=グルリア帝国に宣戦布告するだろう」


するとギューテは質問をした。

「どうしてセビア共和国の為に巨大帝国のローリアが参戦するんだい?」

「民族問題があったって言ってただろ?それを利用してランリア=グルリア帝国の拡大を防ぐ為に参戦するんだ」


するとエトムントは言った。

「確かにあそこはローリア系の奴らも多々いる、それにセビア共和国とローリア帝国は以前から武器輸出についての協定も話し合っていたようだ」

俺はその言葉で俺の考えは固まった。


「そしてパルメリア帝国はランリア=グルリア帝国と同盟国だ、条約までは聞いてないが多分参戦するだろうな」

「それに呼応するかのようにローリア帝国は連合国側に参戦要請をするだろう」

「そして世界は世界大戦へと進むはずだ」


話を聞き終わるとテラは一言喋った。

「起こる確率は?」

「……分からない、すべてを知っているわけでもないし……それに今日この世界に来たばかりだ」

すると腕を組み、聞いていたエトムントが口を開いた。

「ここだけの話だが、司令部はランリア=グルリア帝国に大量の武器を輸出し始めた」


ギューテは話した。

「そんな話聞いたことないよ、それに送っても何に使うんだい?」

神妙な顔持ちのエトムントは息を整え、答えた。

「戦争だ……」


その言葉に俺は言葉を失った。

そしてテラはエトムントに質問した。

「もしかして知っていた……と?」

「ああ……まさかハルトが街や新聞だけで分かるとは思わなかったがな……」


「お父さん……」

ギューテは心配そうに見つめていた。


「なあエトムント、もしかして俺をすぐに軍人にさせようとしていた理由はその為なのか?」

エトムントはゆっくり頷いた。


そしてちょうど皆が頼んでいた商品がきた。

しかし、ケーキを頼んだ二人は口をつけなかった。


……当たり前だ、戦争が始まるかもしれないからだ。

俺はエトムントに質問した。

「いつ戦争は始まるんだ?」

「分からないが2週間後だろうな……列車に積んだ物資が1週間後に届き、もう一週間で供給される」


テラはため息をついた。

「あと2週間ならば止められないわね……」


エトムントは話を続けた。

「ランリア=グルリア帝国は事態を軽く見ている……ローリア帝国は参戦しないだろうってな」

「だがハルトが言っていることは正しい、何故ならば軍上層部はそれを予知していたからな」


俺は答えた。

「ならばなぜ止めないんだ」

するとエトムントはゆっくりと答えた。

「俺だって止められるものなら止めたいさ、だが軍の一部派閥やアルマニア帝国は領土を増やしたがっているんだ……」


俺は言葉を失った。

するとテラが話始めた。

「ハルト?これはエトムントが悪い訳じゃないのよ、彼も反戦派で何とか止めようとしてたの」

「そうでしょ?エトムント大将」

するとエトムントは「そうだ」と答えた。

そしてテラはコーヒーを一口のみ、そっと語った。


「パルメリア帝国は穏健派と過激派がいるの、私やエトムントは穏健派だわ」

「それで問題なのが過激派、彼等は国を強くするために……そして世界の覇権を得るために皇帝に工作をして戦争をさせるように仕向けたの」

「私たち穏健派は何とか止めようとしたわ……ただ彼等は言葉巧みに兵士や将軍たちを言いくるめて賛同させるようにした」


するとギューテはぼそっと言葉を吐いた。

「酷すぎるよ……」

「全くそのとおりよ」


そしてエトムントは俺の方を向き、話した。

「黙っていたのは済まなかった。だがお前に最初から重圧をかけたくなかったんだ」

「……だがお前に軍人になってほしい気持ちは変わらない、だからどうかこの国を救ってくれないか」


俺は悩んだ。

書類上とはいえ家族になったこと。

昔に一人の自衛官がこの世界に来ていたこと。


……そして様々な兵士や人がいた事。


「……わかった」

エトムントの表情が少し明るくなった。


「俺は魔法も使えないし、強いわけでもない……それでも良いのなら俺は戦うぜ」

するとギューテも答えた。

「僕もついていくよ……怖いけど、でもお父さんの為になれるのならば」


その光景をみたテラは嬉しそうにしていた。

「ありがとう……お前ら……」

エトムントは少し涙目になっていた。


そしてテラは手を合わせ、話した。

「よし、それじゃあ早くこのケーキを食べて駐屯地に戻らないとね?」

そう言いながらギューテのケーキをつまみ食いしていた。

「あ!僕のケーキ!」


エトムントと俺はその光景をみて、笑顔になった。

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