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第22話 国外情勢

店から出ると、先程まで居なかった集団が大声で叫んでいた。

「諸君!かの邪悪なローリア帝国は我らの祖国を脅かそうとしている!」

「平和を崩すような悪魔共から祖国を守るためにパルメリア人は一団となり、奴らを迎え撃つぞ!」

集団の中央に立っている男が民衆に演説をしていた。

そして周りの民衆は大きな拍手や賛同する声もあった。


「なあエトムント、あれは一体?」

するとエトムントは説明をした。


「あぁ、あれは愛国心が強いやつらがああやって軍人を増やすために演説をしているんだ」

「だが……ああやって声を大きくしているやつ程軍人にはならないがな」

エトムントの皮肉的な説明に俺は苦笑いした。


「にしてもこの国は危ない状況なのか?内容を聞く限り危なそうな状況だが……」

質問するとエトムントは周りを見て、新聞を持った男から一枚の新聞紙をもらった。


「まあこれを見てみろ、お前なら分かるはずだ」

手渡された新聞紙を見ると、そこには大きな文字で【グルリア問題】と書かれていた。


そして詳しく見ると、ランリア=グルリア帝国とセビア共和国の国境線にて大きなテロが発生したと書かれていた。

「もしかして戦争が始まるのか?」

冷静にエトムントに聞くと、淡々と言った。


「もう一ヶ月以上も同じような事が起きている、それでいつも戦争が起こるって言われてるが……まぁ、この通りだな」

そう言いながら街並みを見ていたエトムントであった。


しかし俺は新聞紙のニュースと愛国的演説をしている集会をみて、あることに気付いた。

そう、俺の世界で起きた第一次世界大戦が始まる前も同じような事が起きていたからだ。


「エトムント、軍部は戦争が起こる事を予想してるのか?」

「そうだな……だがもし国境問題で戦争が起こるならとっくのとうに戦争は起きてるはずだ」

「……どうしてだ?何か思うところがあるのか?」

エトムントは俺の質問に疑問を抱いた。

「ああ……もしかしたら世界大戦が起きてしまうかもしれない」


すると後ろからテラの声が聞こえた。

「お二人さん?そこで話してると邪魔なんだけどもぉ?」

「それに何か面白そうな話をしてるじゃない?」


「おお、すまないな」

エトムントは申し訳なさそうに道を譲った。

そして俺に耳打ちした。

「この話は後で話そう、ここでは他の人の目もあるしな」

俺は静かに頷いた。


「それでお父さん、次は何処に行くの?」

ギューテが話すと、エトムントは少し考え言った。


「後は日用品だけだな」

「ならあそこに行きましょう!」

テラは手のひらを合わせ、俺達を案内した。

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