第21話 まずは服!服がなければパンツを履けばいいじゃない!
テラとギューテについていくように俺とエトムントは歩いていたが、ふと気になったことがあった。
「なあエトムント、買い物に行くってことだが……お金ないぞ?」
するとエトムントは笑った。
「心配するな、費用は俺が出してやる」
「流石にそれは申し訳なさすぎる!」
するとテラは後ろを向き、一言いった。
「あらあら、エトムント大将さん?出かける前にウキウキして自分の財布を確認したじゃない?」
エトムントは恥ずかしそうに帽子を直した。
「そ……それはあれだ、久しぶりの買い物だからだ!」
するとテラとギューテはクスクスと笑っていた。
「なあエトムント、流石に申し訳ないから俺が軍人として給料もらったら後で返すよ」
「ならば私を喜ばせるような戦果を上げてくれたらそれで満足だ」
軍人らしい回答に俺は流石と思った。
……それと値段次第では絶対に返そうとも思った。
「それで何を買いに行くんだ?」
俺はエトムントに質問した。
「まずは制服だろうな、いまの制服は予備だから小汚いだろう」
「俺はこれでも構わないぞ?」
するとエトムントはチッチッチと軍人について話し始めた。
「軍人たるもの見た目を大切にせねばならない」
「そういう物なのか?」
「そういう物だ」
そういうものなのか……と納得していたらテラとギューテが後ろを向いた。
「着いたわよ」
店の前に立ち止まり、見るとそこには大きなショーケースがあった。
ガラスの中には1900年代のドイツ士官服のような灰色や紺色の制服やサーベルなどが置いてあった。
ショーケースに見惚れていると、ギューテが近づいて俺に話した。
「実は僕もここでお父さんに買ってもらったんだ」
「そうなのか、という事はここはエトムント御用達の店ってわけか」
するとエトムントとテラとは店の中に入っていった。
「僕たちも入ろう!」
俺はギューテの後に着いていき、店の中に入った。
中にはショーケースに入っていた服や見るからに高そうなサーベルなどが置いてあった。
そして奥からはヒゲを生やしたおじいさんが出てきた。
「これはこれはテラ中将とエトムント大将、お二人揃って来るとはめずらしいですな……」
「久しぶりだなアロイス、元気していたか?」
「なぁに、まだピンピンじゃよ!」
店主であるアロイスが笑いながら答えていた。
すると俺とギューテに気付いたのか、目を大きく開けていた。
「おお、ギューテじゃないか……そしてそこにいるのは?」
するとテラは嬉しそうに答えた。
「私の息子です♡」
店主は混乱していた。
……そりゃそうだろうな、もしそうだとしたら隠し子だと思われるぞ
エトムントは苦笑いしながら答えた。
「まあ色々理由があってこうなったんだ、察してくれ……」
それを見た店主は「なんじゃ、いつものことが」といい、納得していた。
「それで……今日はお二人の制服の新調で?」
「いや、俺達じゃなくこいつの制服のオーダーメイドをお願いしたくてな」
そう言いエトムントは俺を店主のところまで連れてくるとニヤニヤしながら答えた。
「ははは、こやつは昔のお前さんに似てるのぉ」
「似てないだろう」
しかしテラは隣で頷いていた。
「それじゃあ身長やらなんやら調べるからこちらに来なさい」
と言われ、俺は店主の言われるがままに色々とメジャーで調べられた。
そして調べ終わると店主はエトムントに話した。
「このサイズなら靴も合わせてすぐに渡せるな……明日はどうだ?」
するとエトムントは承諾した。
「ならば明日マインブルク駐屯地に届けてくれないか?」
「ああ、もちろんさ」
「それと……ハルト、少しこのサーベルを持ってみろ」
渡されたサーベルを緊張しながら持つと、思っていた以上に軽かった。
「意外と軽いもんだな……これってもしかしてレプリカか?」
するとエトムントは笑った。
「それは本物だ、ただ歩兵将校の物だがな」
「歩兵将校と他のやつとは何が違うんだ?」
そう聞くと店主のが説明した。
「歩兵将校は言っちゃあれなんだが……まあ見た目なんだ」
そして店主は奥の倉庫から大きく、そして刃の部分が少し太いものを持ってきた。
「そしてこれが騎兵将校用のサーベルだ」
俺は渡された騎兵将校のサーベルを持つと、ズシッとしてさっきより物凄く重たく感じた。
「こ……これは重いな」
するとテラは言った。
「それは馬に乗りながら戦えるように丈夫に作られてるのよ?」
「これを持って戦う……なんか時代遅れだな……」
そう言った瞬間エトムントは苦笑いしていた。
「よしアロイス、このサーベルも買う」
俺は驚いた。
「そんな一片に買って足りるのか?」
「俺を誰だと思ってる」
……そうだ、大将だったんだ。
今までの行動などで忘れていたが、この人は凄い人だった。
そして店主は帳簿と見つめ直し、エトムントに言った。
「合計は40マルクだが……」
するとエトムントは財布を取り出し、ボンと出した。
俺は申し訳なく、エトムントに感謝を伝えると嬉しそうに返した。
「なぁに、未来の英雄に投資をしているんだ」
するとテラとギューテが後ろから補足した。
「この人他に使うもの無いのよ……」
「お父さん本当に使うこと無いもんね、忙しすぎて」
引きつった顔をしていたエトムントであった。
こうしてエトムントのお金で制服とサーベルを買ったのであった。




