第20話 いざお出かけ!
俺は集合場所である駐屯地の正門で待っていた。
三人を持っていながら正門から見える風景を見ると、異世界に来たのではなくタイムトラベルで過去に来たかのような街並みだった。
馬車の音や汽笛のような音など、全てに新鮮さがあった。
すると後ろから俺の名前を呼ぶ声がした。
「おまたせ、ハルトくん!お出かけ楽しみだね」
振り返るとそこにはギューテが立っていた。
先程と変わりはなく、一つだけ違うとしたら笑顔がすごかった。
「ああ、俺のいま来たばっかだが……あの二人はまだなのか?」
「僕がここに来るまでは見かけてないから分からないかな」
まああんな感じだったが一応中将と大将だ。
そんな簡単に来れるわけは無いか、と思っていたら後ろから兵士たちの大きな声が轟いた。
「エトムント大将とテラ中将に敬礼!」
大きな声に驚いた俺は後ろ見ると先程まで雑談をしていた者たちがエトムント達に対して敬礼をしていた。
そして俺の近くに居た兵士はコソコソと別の兵士と話をしていた。
「なんで将官二人が出かけるんだ?」
「しらねぇよ、なんか大切な会議でもあるんじゃないのか?」
「本当に大変そうだな……」
すまんお前ら……
こいつらは今からショッピングをするんだ……
するとエトムントとテラは俺達の方までやってきた。
「すまないな、少し遅れてしまった」
「ごめんねぇ、副司令を見つけるのに手間取っちゃって……」
「いや、俺達も今来たばっかだから大丈夫だ」
「うん!早くショッピングに行こう!」
するとテラはニコニコしながらギューテの手を繋いだ。
その状況にギューテは固まった。
「あら……ごめんなさいね、そういう年でもないわよね」
するとギューテは首を思いっきり横にふった。
「そ、そんなことないですよ!ぼ……僕こういうのに慣れてなくって……」
テラの表情は何処か優しく、母性が溢れているようだった。
「ならこのまま手を繋いでおきましょう」
ああ、あの二人の空間に入れねぇな……
そして周りの視線が痛い……
俺はエトムントにコソコソと話した。
「なあ……いくら書類上でも目立ちすぎじゃないか?」
するとエトムントと苦笑いした。
「確かにな……実はこの提案をしたのはテラ中将なんだ」
そうなのか?と反応するとエトムントは続けた。
「俺は架空の戸籍で良いと言ったんだが……テラ中将が可哀想だって言ってこうなったんだ」
「だからあんなにはしゃいでるんだな……」
俺は妙に納得した。
すると後ろからエトムント大将と声が掛かった。
「本当に護衛を付けなくてよろしいんですか?」
そこには講義室で講師をしていた人が立っていた。
「これはアルフォンス少佐、心配しなくても大丈夫だ。頼もしい者がいるからな」
そういいエトムントは俺の方に手を置くと、アルファンスは納得した。
「確かに、この方がいれば大丈夫……かもしれませんね」
何だその間は、俺は信用してないのか。
そしてアルファンスは俺の方を向き、優しい表情で俺に言った。
「また今度時間があれば戦術の話を聞かせてくれ、君の戦術はとても興味深い」
「ああ、わかった」
そう言うとアルファンスは敬礼をして、戻っていったのであった。
そして正面を見るとテラとギューテがこちらを見て待っていた。
「おっと……待たせすぎたな、それじゃあ行こうじゃないかハルトよ」
「そうだな」
そして俺は初めてパルメリア帝国の街へと向かうのであった。




