第19話 本当に家族になるのかよ!
叩きつけた入隊志願票を指さし、テラとエトムントに問い詰めた。
「ここの欄のこれはなんだ!」
するとエトムントはテラに説明をお願いした。
「流石に家族欄が空白のままだと軍人には慣れないのよねぇ……世知辛い世の中よ~」
「いやまて!分かるがわかりたくないぞ!」
俺は迫真で詰め寄るが、エトムントに笑いながら言った。
「その方が色々と都合が良いんだ、だから分かってくれるか?」
するとギューテがトコトコと歩いてき、入隊志願票を見つめた。
その瞬間ギューテも驚いた声を出した。
「ま……まってよお父さん!これ僕も入ってない?!」
俺はまた衝撃をうけた。
よく見ると姉と書かれた欄の隣にギューテと書かれていたのだ。
「ああ、お前に弟ができるんだ。それにテラも形式上だが母だぞ」
するとギューテは少し嬉しそうにしていた。
「僕……良いと思う!ねえハルト!いいじゃん!」
否定するかと思ったギューテに俺はまたの衝撃をうけ、仲間が居ないと悟った。
するとエトムントは耳打ちで俺に伝えた。
「お前さんの気持ちも分かる。だがギューテは母親の顔すらわからなかったんだ」
「だからお願いできるか?」
俺は考えた。
そして中庭でギューテが俺に伝えてくれた事を思い出し、頷いた。
「分かったよ……その……父さん」
するとエトムントは大きく笑った。
「がはははは、そこまでしなくても良い!今日みたいに接すれば良い!」
その光景を見ていたテラは少し不服そうにこちらを見ていた。
「ちょっと~?ハルトくん?私には言わないの?」
俺は恥ずかしかったが、テラに母さんと言うと物凄く嬉しそうにクネクネし始めた。
……この人どんだけ体が柔らかいんだ。
そしてギューテも嬉しそうにエトムントに言った。
「お父さん!僕一番うれしいよ!テラ中将……お母さんもありがとう!」
するとテラはギューテからも母と呼ばれ、とてもうれしそうにしていた。
「というわけだ、まあこの事はすぐに広まると思うがまああまり気にするな」
エトムントは場をまとめるとサインを書き終わった入隊志願票を手に持った。
「よし、この書類は後に出すとして……これから買い物にいこうじゃないか!」
ギューテは答えた。
「え?買い物?嬉しいけど視察とか大丈夫なの?」
そう言うとエトムントはニヤッと笑った。
「大切な家族ができたんだ、それにハルトの制服やらなんやら買わないと行けないだろう?」
「それに視察と言っても大切な事はすべて終わらせたしな」
その言葉の瞬間、ギューテは嬉しそうにしていた。
「というわけだ、もちろんテラ中将もついていく」
「ハルト、もちろん来るよな?」
その言葉におれはすぐに答えた。
「ああ、もちろん。それにここの国の街も少し気になるしな」
こうして俺達は家族となり、出かける準備をしたのであった。




