第13話 兵士と変態
俺はギューテに連れられ、次の案内場所に向かっていた。
何処に向かっているのかはわからなかったが、先程とは違いギューテの距離感や足取りが少し変わった気がした。
なんなら先程までは変態扱いされ、2mくらい空いていた距離はいまじゃ隣を歩いていた。
「そういえばギューテ、気になったんだがエトムントが魔法を使える種族もいるって聞いたんだがギューテも使えるのか?」
そう聞くとギューテは振り返り答えた。
「僕は低級の治癒魔法しか扱えないかな」
「使えるのか?!」
俺は驚いた。
「ってことは他のエルフや種族も扱えるってことか?」
するとギューテは首を横にふった。
「魔法っていうのは元々ある感性っていうのかな、生まれつきの能力で決まるんだ」
「生まれつき?ていう事は後から魔法を覚えれることはできないのか?」
「そうだね、でもそういう能力が無い人でも扱える魔法みたいな物はあるさ」
そういい、ギューテは歩みを止めた。
「ちょうどいいや、本当ならだめだけど君だから特別だからね?」
ギューテは近くにあったドアを空け、俺に入るように手招いた。
入り口の標識には第4武器庫と書かれた文字を見つけ、少しワクワクした気持ちになった。
そして中に入るとギューテが警備室と思われる場所で話していた。
「これはギューテ中尉、どうなされましたか」
「エトムント大将の命令でこの人を案内してるんだけどここを開けてくれるかい?」
すると兵士は警備室から優しそうな顔を出し、俺を見た。
「君は……噂になってる新人か!」
「噂って……どうせ俺はパンツ一丁で薄いボロキレ着てやってきた変態ってことだろ……」
慣れたくないが慣れてしまい、ツッコミも諦めた。
すると兵士は笑った。
「ははは、それもあるが将校達の噂で凄いやつが来たって騒いでたよ」
「凄いやつ?俺は何もやってないんだが……」
するとギューテはニコニコしながら付け足した。
「ハルトくんが講義室で今までにない戦術を話してた事が少し話題になってるんだよ」
「そうか……という事はもしかしたら可愛い子達と……ぐへへへ……」
「おいおい!ずるいぞ!俺にもおこぼれくれよな!」
兵士と俺がニヤニヤしてるとギューテは何処からか持ってきた石を素早く俺と兵士の頭に直撃させた。
「痛ってぇぇぇぇぇぇぇ!」
俺は涙目になりながらそこら辺を転げ回った。
「頭蓋骨割れた!絶対割れた!」
そして肝心の兵士はぐったりしていた。
そしてギューテはぼそっと喋った。
「……やっぱり変態じゃないか」
「おい!聞こえてるぞ!男ってそういう生き物なんだよ!」
「っておい!名もない兵士!だれかあああああ!えいせいへえええい!」
そう叫ぶともう一つの石が飛んできた。
そして俺はギューテに引きずられながら倉庫の中へと入っていった。
「……さすがギューテ中尉、良いフォームだった……良いセンスだ!」
そして取り残された警備室の兵士はそのまま倒れたのであった。




