第12話 生きればいいさ
少し経つとギューテは泣き止んだ。
だがギューテは俺の胸の中で顔を埋めたままだった。
「本当にごめんなさい、おかしいよね僕……」
「会ったばかりの人なのにこうやって沢山喋ってこうやって泣いちゃって」
俺は落ち着かせるようにギューテの頭を撫でた。
それでも俺の胸元から離れなかった。
「大丈夫さ、君の話を聞いていて少し思い出したことがあったんだ」
「俺の親父は自衛官って言って、まあ軍人だったんだ」
俺は話を続けた。
「親父は俺が戦術や戦略が好きなのを知っていて色々教えてくれてたんだ」
「でもある日突然、俺の前から消えてしまったんだ」
ギューテはビクッと体を震わせた。
「……まだ消えた理由は思い出せないけどいつかは思い出したい」
「忘れてはいけない事だと思うからだ」
ギューテを撫でながら俺も少し寂しくなった。
「なあギューテ、そろそろ顔を見せてくれ」
「男の子なら泣き止むことも必要だぞ」
するとギューテは俺の腹をつねった
「いだだだだだだっっっ!何をするんだ!」
そうするとギューテは俺の胸元でモゴモゴと喋った。
「……でも気づかないんだ」
埋もれてて聞こえない……
「すまんギューテ、なんて言ったんだ?」
するとギューテはようやく胸元から離れたと思ったら恥ずかしそうに答えた。
「僕は女の子だよ……」
俺は固まった。
確かに落ち着かせるため、そして安心させるために抱きしめたり撫でたりした。
だがそれは男の子だと思ってやったまでだ!
もし女の子ならもう少し違うアプローチでやっていた。
「じゃ……じゃあ周りの兵士たちが息子とか男って言ってたのは?!」
「多分一人称が僕だからじゃないかな……」
「それに……胸が……」
一人称までは聞こえたがその後が聞こえなかった。
「……何度もすまんがなんて言ったんだ?」
「なんでもないよ!」
ギューテはばつが悪そうにしていた。
「お……おう、それはそうとなんかベタベタ触っちまって悪かったな……配慮が足りなかった」
素直に謝るとギューテは驚いた顔をした。
「へぇー……そういう時はちゃんと謝れるんだね」
俺は少しドキッとした。
「ああ、俺は変態じゃないからな」
ギューテは少し笑った。
「でも大丈夫だよ、それにハルト君と話してる時物凄く安心して話せたし、こちらこそごめんね?」
「良いってことよ、困ったらお互い様ってやつだな」
そしてギューテは涙を拭き、すっと立った。
「そういえば案内するって話だったね、気を取り直していこうじゃないか」
俺はギューテから差し伸べられた手を握り、ベンチから立った。
そして俺とギューテは次の案内場所へと向かったのであった。
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