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ぶっ飛んだ思考をお持ちですね。でもそれ脚下です

とりあえず城の中を移動した訳だけども・・・・途中阿鼻叫喚でした(笑)


「先生!この城なんなんですか?」

「うーんとね、魔道具です(笑)

 あとこの城にいるレイスやリビングデッドは人間を襲わないので安心してください

 じゃあとりあえず錬金術の勉強を始めます


 まずは錬金術の基本的な事から勉強しましょう

 錬金術の基本は”等価交換”です

 無から有を作り出す事は不可能です。あり得ません

 それともうひとつ、錬金術における重要な事がひとつあります」


「なんですの?」

「僕も知りたいです」


「答えは、想像力です」


「想像力ですか?」


「そうですよ!想像することですよ

 いいですか、例えばポーション。これを作るとします

 しかし、作る上でどんなポーションにするのか、効能は?それから何に効く?など考えますよね

 その上で薬草や材料を選ぶはずです

 そうして研究してレシピは完成しますが・・錬金術は極めるとこの過程を短縮できるのです

 さらには、薬、武器、魔術の開発が可能になるのです!」


「えええ!?ポーションも錬金術でできるのですか??」

「武器もなの?うそでしょ?」


「寧ろあなた達は錬金術で何を研究していたのかが謎ですね

 いいですか、そのためにもまずは想像力を鍛えるための授業をしましょう

 よく弟子にも言いますが、図書館で神話や伝承などを読むことと言い聞かせています

 

 なぜならそれがすべての魔術に繋がるからです

 そして錬金術で金は既に作れますよ。僕も作れます

 その黄金をつくれたのも伝承や神話の類いのお陰ですよ


 つまり錬金術はものを作るだけにとどまらず、魔術をつくるのも錬金術なのです」


「魔術開発は錬金術なのか」

「それは初耳ですね。魔法剣士の武器などももしかして作れるのですか?」


「正解!弟子のアドラは魔道具開発をしてるね~なかなか成長してるよ

 なぜ魔道具の開発は錬金術なのかというと、錬金術は神秘を産み出す学問でもあるからだよ


 例えば呪文、今まで考えて唱えた事はある?

 呪文は本来意味のある言葉を発しなければ、きちんとした威力が出ないものです

 つまりは魔術の呪文は組み合わせ次第で無限の可能性を秘めているのです!

 また、魔術において想像することは威力に直結するのです


 例えば”ファイア”これは炎の魔術。だけど、これを言葉を置き換えるとどうなるかというと

 ”ヘル・フレイム”とこのように真っ黒い純度の高い炎になります

 炎は実は黒に近いほど燃える温度が高くなり、強い魔術になるんです


 では”ヘル・フレイム”の呪文はなぜ生まれたのか?意味は?わかる人はいますか?」


全員が横に首を降る


「この呪文はまさしく錬金術で開発したもの代表例ですよ!

 いいですか?この世界に黒い炎など実際にはありえません。存在しません

 ですが今僕が使えたのはなぜでしょう?答えは発想力です


 ヘルは”地獄”を意味し、フレイムは”焔”を意味します

 つまりヘル・フレイム=地獄の焔ということです

 これは伝承にある”地獄の業火は黒く燃え盛り、

 その温度は人間を一瞬で灰にする”という一説をもとに生まれた魔術です

 このように、言葉と伝承や神話を連想し魔術を産み出す事ができるのです

 これが錬金術です


 なので僕の授業の初めは沢山本をよみ発想力を鍛えることと薬の調合です

 調合は分量をきちんと図って手で調合しましょう!

 作る過程を頭の中に叩き込むので頑張りましょう」


それから今日は初級ポーションを手作りで10本ずつ作成し、おすすめの本を教えて終了


「まさか、魔術開発が錬金術だったなんて!素晴らしいわ!」

「確かに面白い授業だ。魔法騎士の私でも武器が作れるようになるとは・・考えもしなかった」

「そうですね。僕もポーション作りが捗りそうです」

「俺は魔術は使えないがなかなか面白い授業だったな」


「このまま、ここで俺の授業をするぞ!

 ヴラドの授業で錬金術で魔法の開発ができるっつー話を聞いたと思うが、それはそのうち出来るようになる

 魔術ってのは大雑把な言い方だな

 魔術にも種類がある、召喚術・黒魔術・白魔術・自然魔術・精霊術・死霊術など様々な分野がある

 これらを引っくるめて魔術というのが本来なんだが


 学校で教えるなら自然魔術と契約魔術だな

 自然魔術とは”エレメント・マジック”といい水・火・土・風の四属性の事を言う

 そしてこれらを組み合わせるとさらにひとつ上の魔術になる

 エレメント・マジックに白魔術・黒魔術を加えたものが六芒星の魔術”ヘキサグラム・マジック”になる

 そして契約魔術だが・・これはエレメント・マジックの基本を習得後に教える


 でだ、ここでひとつおかしな点に気がつかないか?」


「氷や雷などの属性が含まれていないですね」

「正解だネイト。

 答えは簡単だ。雷も氷の属性魔法も人間が産み出した人工の魔術だからだ

 例えば雷は風・水・火を組み合わせた複合魔法だ

 しかし、実際は呪文ひとつで発動する。それはなぜか?


 それは呪文に秘密があるがあるのさ

 特殊な魔術は大体その一族だけしか継承されないだろ?それはなぜか

 実はこの魔術特別でも何でもないからさ

 ある程度の熟練の魔術師だったら見ただけで呪文を習得できてしまう

 だから漏洩防止と独占のためにいっているいい訳なだけだな

 俺も雷の魔術は得意だぜ


 雷の槍”ボルテクス・スピアー”」


「雷の槍ですか・・なるほどこんな使い方もあるんですね。参考になります」

「おお!かっこいい!」


「この呪文も錬金術で作った魔術のひとつだな

 俺の授業ではおまえ達が使っていた学園の魔術を錬金術で作り直す所からだな

 呪文とはいかに効率よくそして短く詠唱し、なおかつ威力をあげられるかが課題だな

 と言うわけで俺の魔術の授業は錬金術と合同になる」

「そういう事♪なので先程僕が言った言葉をよーく思い出して勉強してね~

 今日はここまで!お風呂に入って、ご飯にしよう」


こうして一日目が無事に終了したのである

そしてその日の夜・・・・


「ルッツさん、お邪魔しまーす」

「おう、来たか」

「え?お部屋凄いですね・・」

「研究資料とか材料も一杯ですよ・・」


「「これ!魔法武器ですか!?」」

「ああ、そうだぜ。因みに各自のお手製だな

 師匠の課題でそのうち作れるようになるぜ、なのでそれまでは効果とかは秘密な」

「これを作れるようになれるのですか!素晴らしいです!」

「もしやこれはエ・・エリクサーでは?」

「そうだよ。僕の作ったものだけどね」

「こちらは?香水ですわよね??」

「えーっと、香水だけどこれも一応武器なんだよね」

「「え!?武器!?」」

「効果はそのうち授業がすすんだら教えてあげるね~」


”おきゃくさんだー”

”だねー”

””ねー♪””


「「「「マンドラゴラ??」」」」

「酒に浸かってるのか?」

「こっちはポーション??」


「僕のマンドラゴラなんだ。可愛いでしょ?」

”ごしゅじーん。僕のお花毒だよー”

”僕のは・・・毒でした!”

”僕も・・・毒だね!(笑)”

「君たち!最高だね!ありがとう♪さてとどんな毒かな~楽しみ!」


「ミハエルさん?」

「こいつは毒の研究してるから気にしないでくれ」

「なるほど、毒ですか。面白そうですね」

「うん、面白いよ」

「他の人たちは?」

「魔道具研究したり回復薬の研究したり色々ですよね」

「後はクエスト前はそれぞれ役割分担をして準備しますよ

 得意な分野があるので分担も楽ですし」

「俺らのパーティーは前衛が三人、後衛二人のパーティーだからなバランスはいいぜ

 俺・ヴィンス・アドラスの三人が前衛でクリス・ミハエルが後衛だな

 最近パーティーないで前衛と後衛を変えながらクエスト受けたりもしてるしな」

「固定ではないんですね」


「固定してもいいんだけど、そうすると万が一の時に動けないでしょ?だから色々試してるところ」

「師匠も何事も経験だってさ」

「まぁ、授業も進んでいけば楽しくなるだろ」


「「「「それはよくわかる」」」」



「今日から頑張れよ」


こうして弟子達は交流を深めていた

その一方で・・・



「かんぱーい♪シュルトさん。お疲れ様~」


「ありがとうございます。と言うか本当に今日一日で世界が変わりましたね

 今まで教わってきた事があまりにも小さすぎて驚きました」


「まぁ、俺らは魔術師の中でも危ないやつらだからな(笑)」


「そうだよね~その分無駄に知識とか技術は持ってるし」


「そうだな。それにしてもだ、あの様子からして相当魔法の知識は廃れてるな」

「そうだろうね。うちの弟子にも”師匠は規格外だ”って言われたし」

「お前で規格外なのが俺は驚きだよ。他の奴らなんて俺と同じで”化け物”だな

 今日のキャンキャン犬見てぇに吠えてた魔術師な、あれで宮廷魔術師ってなー」


「まぁ、それは同意見。うちの弟子よりも弱いって・・・・;;

 あれじゃあ上位クエスト行ったら真っ先に死ぬよね

 魔法最強!とか勘違いしてる時点で残念な子過ぎるわ(笑)」

「ま、そうだな。魔法はあくまでも倒すためのひとつの手段でしかねぇ

 それを生かすも殺すもそいつ次第だからな。他の国もあんな感じか?

 あとなんだっけ?勇者と聖女(笑)だっけ?」


「勇者ね!僕にドラゴン寄越せとか喧嘩売ってきたアホ

 ”ドラゴンは勇者にふさわしい”とかいってたっけ。意味がわからん」

「は?なんだそれ??お前のドラゴンってあれだろ・・やべぇやつ(笑)

 で?その勇者とか言うのはお前より強いのか?」

「さぁ?でも見た限りそんな感じしなかったよ。異世界人らしいけど(たぶん僕と同じね)」

「へぇ~異世界人ねぇ。そいつまともそうだったか?」

「いんや、なんか勘違い系っぽかった。自分は勇者だからなんでも叶うと思ってる感じ?」

「あー・・異世界人の病気か。ゲームの世界と勘違いする病気。

 ここは現実でゲームじゃねぇって言っても理解できないらしいぞ」

「あー・・・・それは、確かに病気かもね(中二病??なんか話あわなそー)」


「あの・・・勇者と聖女の話ですか?」

「そうそう、ある意味問題児なやつね。僕はあいつら嫌いだから」

「え!?問題児なんですか??

 私が城でお会いしたときは普通に見えましたけど・・・少し調べて見ますね」

「お?調べてくれんのか?助かるわ」

「そうだね、既に色々やらかしてるかもだけどー」


目の前にいる超越した力を持つお二人の会話は私には未知だったし

彼らは酒を片手に朗らかに会話をしているが、その会話の中にはいくつもの情報や憶測が混ざっているのだ

つまり何気ない会話の中で情報交換をしているという事だ

はぁ、やはり宮廷魔術師のレベルは彼らにとってはなんでもないようだ

そしてまた勇者、聖女についても異世界の人間と把握済み、これは一応秘密の情報のはずなのだが・・把握済みか


私は彼らの会話に耳を澄ませ、私なりに調べさせるべき事を纏めたあと従者へ渡した

城は同じ敷地内にあるので調べることは簡単だろうが、慎重に進めなければ


こうして夜も更け、一日が終わった





それから約2ヶ月毎日が充実して過ぎていく

その中で私たちは未知の知識を吸収し、成長を実感している

彼らが言うように私たちは”井の中の蛙”と言わざるを得ないほど無知に等しい

選んだ教師も私も自分より知恵を持つものだと理解し、きちんと教えを乞う事ができるが

果たしてこの国の魔術師の中でどれだけが同じ事を出来るだろうか?


ふとそんな事を考えた

最初に選んだ四人は比較的に温厚であり、そして何より未知に飢えていた

それに、実際に勉強をし始めると素直に彼らを尊敬しているのだ

確かにルッツ達は年齢こそ年下ではあるのだが、弟子としては兄弟子

普通の魔術師であればプライドが邪魔をして反抗したり、横暴な事を言っていたかも知れない


「なに考えてるの?」


「いえ、私たちをなぜ受け入れてくれたのかと」


「あー、そんな事?そんなの眼を見ればわかるよ

 他の奴らは侮蔑や嫌悪感を隠そうともしないでむき出しだったしね

 そんな奴らは最初から僕らの教えを乞う気なんてないだろ?

 

 録な事考えてないってわかるし

 それに引き換え君たちは戸惑いこそ浮かべていたけど、嫌な感じはしなかったよ

 だから選んだ。結構こういう勘は大事だよ?第6感”シックス・センス”っていうんだけどね」


と彼は言った。第6感???

人間は5感のはずだが、それを越えた感覚と言うことだろうか?


「まぁ、そのうち君らもわかるようになるよ

 それはさておき二ヶ月が経過した訳だ、君たちは一応それなりの成長はしたね

 まだまだだけど時間はまだある、ゆっくり成長していけばいい

 急な成長は人に”傲慢”をもたらす、だから今は成長したことを実感していればいい

 

 で?勇者とか聖女はどうなった?」


「え?ああ・・・一応私もこれから報告書をまとめて読もうと思っていた所です

 ご一緒に見られますか?」

「うん。見る」


私と彼で報告書の中身を読むと少々頭痛が・・・

王や王妃様はともかく、それなりの地位を持った貴族の行動が痛々しい

一度城に顔を出した方がいいかもしれませんね

それにしてもなんというか・・・彼らは特別かもしれませんが、この人たちに比べると圧倒的に劣りますよね


「あちゃー・・まぁ、概ね想像通りですな(笑)

 教育係もそれからこの国の対応とか色々突っ込み所満載で笑うしかないわ

 どっちもどっちと言うか、どっちも悪いなこれ」

「想像通り???」

「そうだよ、概ねどんな風になるかに関しては2通りしか想像してなかったから

 そのうちの”悪い方”に転がっただけだよ

 あ・・・・・・・ええええええ・・・・これは、マジでやるの???やめた方がいいよ。これ

 誰の発案??えっと・・・魔術騎士団長?アホ?」


「どれどれ?はぁ?舞踏会?誰の?

 あー・・・これはヴラドの言う通りこれはやめとけ。悪いことは言わない、やめとけ

 この国の中の貴族だけなら被害は最小限、他国を呼ぶならまず国際問題になるぞ

 最悪国同士の戦争に発展する。これは俺らの”経験”に基づく結論だ」

「へ!?戦争ですか!?なぜ?」

「いやー・・二回も説明すんのめんどくさいから、今すぐ城へゴー!」

「そうだな、それがいい。そうしようぜ」

(え?ええ??)


「弟子どもの事は頼んだぞ、リリー」

”はい、かしこまりました。マスター

 それといってらっしゃい、ヴラド(にこっ)”


「はーい♪行ってきます」


僕たちはとりあえず家を飛び出して、召喚したスレイプニールに跨がると城に向かって駆けて行く

風を切って森の中を走る、気持ちいい!


「こうやって走るのも久しぶりだな!」

「だよね!」

「ちょっ、この馬早くないですか?」

「あははは、そりゃそうでしょ。スレイプニールだもん

 精霊馬だからね。前にも見たでしょ?このこらは野良だけど」

(野良!契約していない??)


「心配すんな、こいつらは基本はおとなしい

 それに俺らはこいつらから攻撃されることはねぇから安心しろ」

「そうそう、ないない。おー?もう着いた。早いねぇ」


俺はこの城の騎士であり入り口付近をいつものように交代で見張りをしていると大きな影が落ちてきた

ふと上を見上げると普通の馬よりも遥かにデカイ馬らしき生き物がブルルルル・・と嘶いていた

で・・・でかっ!?

そしてその馬は静かに俺らの前で止まると、上からひらりと美女?とシュルト様が降りてきた

もう一頭の方からはこの世の者とも思えないほどの美貌の男が現れて馬を降りた

・・・・・・??????


「あー、お前ら城の騎士だろ?王様に会わせろ。緊急事態だって言え」

「失礼ですが貴方は?」

「君たち、彼らの言う通りにしてくれ。彼らは王の客人だ」

「っ!失礼しました。ではお伝えしてきます。お名前は?」

「ヴラドが来たっていって貰えればいいよ。よろしく

 君らは帰ってもいいよ。ありがとうね」

””ブルルルルル・・・・””


馬達は森に向かって走っていくと・・途中で消えた

え?消えた・・・・・?????

目の前の彼らはまるで何事もなかったかのように普通に会話をしている

何がなんだかわからないままだ


「お待たせいたしました。王がお会いになるそうです

 案内は彼がしますので」

「わかった。行くぞ」


こうして不思議な客人は城の中でへと消えて行く

いったいなんだったんだろうか?夢でも見てたのか?



僕らは城に入場し、執事の案内で王と王妃そして宰相が待つであろう部屋の中に入っていった

あ・・朝食中かぁ・・ごめんね?


「朝食中にごめんね?とりあえず一刻も早く伝えないと不味そうな案件みちゃってさー忠告しに来た」

「ああ、聞いている。こちらこそ朝食中にすまない」

「気にするな、俺らが押し掛けて来ただけだ。詫びにだが食後のデザートは任せろ」

「ありがとう。貴方がヴラドの師匠のルシフェルか?」


「そうだ。よろしくな王さま」といいながら席にドカッと座るとタバコに火をつけた

「ちょっとダーリン、自由すぎじゃね?」

「ハッ!俺はいつも自由人なの。めんどくせぇ話すんだ、自由にさせろ」

「はぁ~、ごめんね。この人自由人だから、とりあえず僕からは匂い消しのお花でも出しとくね」

「ぷ・・相変わらず主婦みてー。よしよし」

「で?お菓子と紅茶の美味しいの出してよね、ダーリン」

「了解☆ハニー♪お前の好物のアップルパイとモンブラン、それからダージリンのミルクティー」

「完璧です。グッジョブ、ダーリン」


「うふふふふふ、面白いですわね。魔術師とお伺いしていたのでもっと怖いのかと思ってましたわ」

「こいつらは怖くない。むしろ面白いぞ」

「まぁ、貴方がそうのでしたらそうなのでしょうね

 それに美味しそうなお菓子にいい香りの紅茶・・素敵」


「さてと、本題に入ってもいいですかね?」

「話とはどのようなことでしょうか?」

「宰相の耳に入ってるかどうかしらねぇが、勇者と聖女たち主催の舞踏会の話が出てる

 これはやめておいた方がいいぜ

 報告書見る限りまだこの世界の常識をしらねぇみたいだ、それは危ない」

「舞踏会?そのような話は出ていませんが、誰がそのような事を?」

「魔術師団長って人が計画してるみたいだけど?」


「まて、その舞踏会とは多分他国を歓迎する舞踏会の事ではないか?

 実は次の月に催しがあるのだ

 中の良い国の王子と王女を招いて交流を図ろうと言う話になっているが」

「もしかしたらそれを乗っ取る気かもな。その舞踏会で彼らを世間に公表するとかよ」

「・・・・ありえるかもしれませんね

 あの団長は聖女にひどくご執心だという報告が来ています

 それとあれの娘もです」

「へぇー魔術師団のメンツは揃いも揃って聖女と勇者がお好きなようで(笑)

 で?他にそいつらの信者は?」

「確か、近衛にいますね。

 勇者・聖女付きになった近衛は殆どが信者だったかと・・」


「「・・・想像通り過ぎて笑えねぇ」」


「それじゃあそいつらの同行の監視だな。まず、その舞踏会とやらで何か起きそうだしな

 最悪俺とこいつは出席してやるぜ」

「いいよ、別に。とりあえず楽しく生活できる場所がなくなるのは阻止したいし

 なんならしばらく王妃様のメイドでもやる?」

「わたくしのですか?」

「そうそう、なんか一番色々狙われそうだし、ルシフェルは王の護衛とか?」

「護衛ねぇ・・・柄じゃねぇな」

「まぁ、僕だけでも十分大丈夫だよ」


「まず何を危険視しているのか教えていただけますか?肝心の話がまだですよ」

「そうだったな。

 えーっと異世界人に対する知識とかはどのどのくらい把握してる?」


「どういう意味でしょうか?」

「そのまんまの意味だ

 異世界人てのはそのまんま異世界の人って事だ

 つまりはこの世界の”常識”が通用しない、そもそも感覚も違うだろ?

 でだ、彼らはどこまでこの世界に溶け込めているのかって事なんだが」

「異世界人といっても同じ人間ですよね・・・・?」


「ん?えー・・とマジで言ってるのか?」

「何をそんなに危惧されているんでしょうか?」

「あー・・・わかった。原因はまずこの認識の違いだな

 お前ら、異世界にはここと違って貴族制度がない所があるって知ってるか?

 この報告書を読む限り、今回の勇者や聖女は”貴族社会の無い世界”の住人だぞ


 そいつらにこの世界の常識は通用しない」


「え?貴族階級が・・・ない?」

「そうだ、つまりは身分の差が殆どない。あるのは貧富の差だけだな

 でだ、そんなやつらに勇者だの聖女だのの特権与えたらどうなるか想像できるだろ?

 大抵は


 1、この世界に馴染む努力をして謙虚にいきるか

 2、この世界に来て得た力や地位に溺れて傲慢になるかだな

 

 最悪弱いものはいいように使われて傀儡か死を選ぶだろうぜ」

 

「何故でしょうか?勇者や聖女とは名誉な事ではないのでしょうか?」


「王妃さまの意見だけどそれはこちらの世界の人間の認識ですよ

 実際は家族も知人もなく突然この世界に来たんだよ?

 普通は困惑・悲しみを抱くと思わない?

 元の世界の常識も感覚もここでは通用しない、未知の世界なんだから

 なのに”この国を守るために力を貸してほしい”って一方的な要求されて戸惑うと思うけどなぁ

 

 で、さらにそこに貴族のマナーだの常識だのって言われてもねぇ

 僕ならなに勝手な事言ってんの?って思うし、元の世界に返せっておもうけどなぁ」


「・・・・・・・栄誉な事でもでしょうか?」

「うん。まぁ、この国の勇者と聖女は残念だけどルシフェルのいう2に当てはまる傲慢な人になっちゃったけど

 基本的に異世界人って未知の生物と一緒だよ?


 例えば妖精とか精霊とかと一緒。君らの常識が通じない生き物

 それを念頭にいれて置かなくちゃ

 彼らの世界には魔法は存在していないと言ってなかった?」


「いっていたな。それと滅多に戦争もない・・・と」

「そういう事ですか・・言葉が通じるので大丈夫だと。これは油断ですね」

「どういうことですの?言葉が通じるなら大丈夫ではないのですか?」


「「ないだろ」」

「逆だ、逆。言葉がわからなければ知識も得られないし、なにかない限り無害だ

 だけどな、今の状態は危険だぜ

 常識のない子供に危ない力が備わってるのと同じ状態だからな

 わがまま、癇癪で国が滅びる危機だぞ。笑えねーよ」


「そうそう。なんの加護持ちなのか、どんな力があるのかも分からない

 それって怖くない?それを制御しようとかむしろ無謀ー

 

 他力本願は自滅と紙一重だよ

 どうする?対処するならチャンスは今しかないと思うよ

 この機会を逃したらもうないと思っていい」

「だな。今後余計な力を持ったらどうなるかなんて誰も想像できねぇ

 なら弱いうちに叩く

 で?どうする?悠長に改心を待つとか言うなよ?

 そんな考えなら俺らはこの国滅ぼして他の国に行くぞ」


「そこまで深刻なのだな?」

「陛下!いいのですか?このような怪しいものの言うことを聞いても」

「王妃さま!この方々は王を、この国を救ってくださった人達なのです

 いくら王妃様でも逆らってはいけません」

「どうして?勇者も聖女さまも必要でしょう?(こんな怪しい人に彼が屈するなんて!)」


「へぇ~・・王妃さまは腐っても貴族だねぇ?身分なんて僕らの前では紙屑同然だよ?

 それに王様と宰相様と僕らは利害関係も一致してる協力者

 君は確かに王妃としての責務がある大切な人だろうけど


 ぶっちゃけ、代えがきく。酷いことを言っている自覚はあるよ

 でもね、僕らは代えが”きかない”

 僕らと君は同じ天秤に乗ることすらあり得ないんだよ」

「そんな!どうして?私はこの国の王妃なのよ!なのに・・・貴方達に劣るですって!」


「うん、劣るね

 君は僕らがなにか知っている?」

「ただの魔術師でしょ?」

「ただのねぇ。それはねぇなぁ

 俺らは自分達の力の強さも危険さも自覚してるけどよ

 この国を滅ぼすのなんて片手で十分だ

 それこそ俺らが直接手を下さないでもいけるくらいだよな?」

「まぁ、そうだね~

 使い魔呼んで頼めば速攻地獄絵図になるよ

 火の海とか凍土になるとか色々あるけど

 

 間違いなく言えるのはどう回避しようとしても滅びしかないね」


「っ!なんて傲慢な!」

「そのままその言葉お返ししますよ

 王妃だからといって何でも命令できるなんてそちらそこ傲慢ですよねぇ~

 自分の命を無償で賭けるなんて慈善事業じゃないんですからやるわけない

 

 そんなのごめんだね

 何事にも対価は必要だよ?それがこの世の理。真理だからね

 ”ただより恐ろしいものはない”」


「たしかにその通りだな。私たちは王族ではあるが、それは民があり土地があるからだ

 それがなければ我らはただの人

 王妃よ、彼の言うことは正しい。お前はその立場で傲慢になってはいけない

 傲慢になればやがて身を滅ぼすぞ」


「そうそう。さっすが王様だな!理解が早い

 王妃様はもう少し立場を自覚した方がいいですよ~



 君はどうあがいても”この国の人間じゃない”

 僕たちと同じ”よそ者だ”」

「クククク・・・そうだな

 王妃だろうと自分の生まれた国は捨てられない

 さて、あんたがこの国の未来をきちんと考えられんのか見ものだぜ」


「あんたが王妃だろうが僕らを止めようだなんて無謀な話だけどね

 それにこの国に嫁いで来た以上はこの国の事を一番に考えなくてはいけないんじゃないの?

 確かに勇者や聖女は人々の希望なんだろうね、でも諸刃の剣だってわかってる?

 彼らの考えを君たちが理解なんて出来るわけない

 未知の世界に住む人間の事を理解出来ると本当に思っているならおめでたいよね

 ある程度の気持ちは理解できても本当に理解出来る訳じゃない


 それは僕も同じ

 だって僕も彼も”異世界の人間”だからね」

「異世界の人間・・・・?でも貴方達は魔術師でしょう?おかしいわ、そんなの!」


「あー・・それはな、俺もコイツも元々そういう事に詳しかったし色々な経験があるからな

 内容については説明しても理解できないだろうから省略な

 (それにヴラドは俺が見つけた特殊な人間だ。勇者や聖女とは訳が違う)」

「では勇者様や聖女様だって大丈夫なはずよ!そうじゃない?」


「それはないな。ヴラドの話を聞く限りじゃまだまだ子供だろ?

 今の状態は世間を知らない子供に武器を持たせているようなもんだ

 万が一癇癪でも起こされたら怪我人どころじゃすまねぇぞ、確実に

 

 貴族の教えなんてどうでもいい、最低限の礼儀や常識を教えろよ

 生きていくために必要な常識が備わっていない状態で舞踏会なんぞ自殺行為だな

 それこそ戦争の火種になりかねねぇし、恥を晒すだけだからやめておけ」

「僕も同意見かな、最終的な判断は王様である君に委ねるけどね

 でもここは調べて何か対策をする事をおすすめするよ」


「わざわざありがとう。そうだな、その意見は非常に参考になった

 現状では他国に勇者と聖女の存在は知られてしまっているが、彼らはまだ披露するには早すぎる

 それに過剰な戦力は国と国のバランスを崩しかねない、諸刃の剣なのだたしかだ

 勇者や聖女に対する対応は改めて考え直し、教育等をすることにしよう

 (あれの側近達の様子がおかしくなるのも気になるしな)」

「そうですね。報告書をみる限りは問題ないと書いてはあるものの・・これが真実かどうかはわかりませんしね

 私の方でも改めて調べ直しましょう

 それにあなた方がこの舞踏会に来ていただけるだけでも心強いです」


それからも異世界人の常識とこちらの常識の違い等を説明していく

説明する度に宰相の顔色は悪くなっていくので見ていて同情した

王様の方は冷静にこちらの話を聞き、そして質疑応答を繰り返していった

妻である王妃は驚くばかりで正直に言えば役にはたっていない


「あのさ、根本的に君らは危機感が足りないよね~

 同じ人間だからわかり合えるって理屈も普通は通用するかもだけどさ

 彼らも僕らも”普通の人間”って枠には到底はまらない


 人間同士出さえ未だに戦争があるんだよ?わかってる?

 すべての人間とわかり合おうだなんて妄想もいいところだよ

 それぞれ個々に考え方があるのに他人を全部わかるわけがない

 王様は国民の事を常に考え最悪の事態に備えるのが仕事なんだよ

 それを王妃様は理解していないとか・・・大丈夫なの?」


「それなぁ・・俺もすごく気になった

 英才教育とやらはどこにいったっつー話だよなぁ?

 あ、それと舞踏会には嫁と一緒に”陛下の友人”って事で出てやるよ」


「な!私が王妃にふさわしくないとおっしゃるの!(さっきから失礼だわ!)」


「「うん。今のままならふさわしくねぇわな」」


そのときバキィと王妃様の握っていた扇子が音を立てて折れた(笑)

顔も物凄い表情なんだけど


「陛下!こんな無礼な人を舞踏会に呼ぶなんて信じられないわ!」

「はぁ・・王妃よ、お前の発言こそ客人に失礼だぞ!」

「そんな!私より彼らを選ぶというの!」


「ええ、それは王として当然の事ではないでしょうか。王妃様」

「なぜ!」

「先程お話しましたが、貴女はこの国へ友好の証しでもあり有事の際の人質です

 酷い事を言うかもですが・・最悪”替えが利きます”

 ですが彼らのように友好的で力の強い魔術師が協力してくれるのは珍しく”替えが効きません”


 比べるまでもまでもないのですよ

 王は国の”安全と発展”を考えるものですよ(王妃様も危ないか?)」

「宰相である貴方までそんな事を言うの?

 でもおかしいわ!勇者様も聖女様もいるのよ?

 この人たちの力なんているのかしら?(そうよ。本当に強いのかだってわからないわ)」


「・・・・・・・ふーん。そう

 ねぇ、この国の王妃この人で本当に大丈夫?

 王様に関しての不満はないけどさぁ、この王妃なんかやらかしそうで頭痛いんだけど

 (いやぁ・・・ぶれないね。悪い意味で・・温室育ちのお花畑女子か??)」

「はぁ?マジで言ってんのか?勇者と聖女(笑)あんなの役に立つのかの方が疑問だな

 うちの弟子のがマシかもしんねぇわな。どう思う?」

「そうかもね~この国の魔術師の教え方から想像するにあんまりいい予感はしてない(笑)

 それと異世界における魔法の知識というか妄想で生まれた魔法とか使いそう

 それはそれでヤバイと思うけどね・・使ってる自分が言うのもなんだけどさぁ

 一歩間違えると本当に危ないからね。冗談じゃなくて」

「まぁそうだろうよ。この世界じゃ未知の魔術だろうし、使えない可能性もあるよな

 あ、俺らの魔術に関しては弟子も使えてるところからある程度のランクなら使用出来るだろうな」

「そうだね、間違いないと思う」


「な!そんな魔術があるのになぜ国の為に貢献なさらないの!おかしいわよ」


「「えータダで献上しろとかないわ。いくら出す?(タダで渡すと思ってるのか?)」」

「いくらですって?なぜ報酬を支払わなければいけないの?(国の魔術師なら貢献するわよね?)

 王の命令には逆らえないもの!」

「「王妃(様)!」」

「何よ、急に!」


「はぁ・・王妃よ、これ以上我が国に不利益な発言をするようなら謹慎にするぞ(これ以上は不味い)」

「・・・・王妃様、状況を見て発言してくださいませんか?

 先程も申し上げたように彼らは”王自ら招いた賓客”ですよ。国賓です

 他の国へ行かれるのは非常に我が国にとって不利益です。ご理解ください(本当に王妃様邪魔ですね)」

(どうしてなの!わたくしは悪くないわよ!おかしいわ!)

「王妃よ。部屋に戻っていてくれ、ここからは私たちは大事な話をする」

「・・・・・・私もここにいるわ(いやよ、戻らないわ)」

「なら、口を挟むのを禁ずる。そこで大人しくしてくれ」


それから学園復興に向けての先生方の指導状況等の確認をしつつ、今度の夜会の話に

大人しくしているものの何を考えているのかいまいち理解出来ない様子の王妃に不満が残る!

いやぁ、この王妃様見た目と外面はピカイチなのに思考があお子さまというか聖女よりのお花畑でした

うん、色々既に不安である

後で自分なりにダーリンと相談してみるか・・・


話し合いも終了したので自宅(城)に帰宅したのだけど・・・家の前に何かいるんだけど(笑)



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