大変な水曜日!
何やら大変な事になりそうです。
高松は城北学院に出勤した。本日は講師の日である。
高松はいつもより30分早く出社し、パソコンとにらめっこをしていた。
7月より支社長となる為、自分が担当する部署が増える。その為、現状の北関東支社の売上や状況を昨日までにチェックしたが、高松が支配人と管理者を務めている介護部門は黒字だが、居宅と看護は赤字であり、介護部門での黒字で何とか支社が黒字という結果である。
9月10月と新しいサ高住が立ち、訪問看護事業所も2件開所する為、色々と考えないといけない。
「病院に看護とケアマネと行ってみるか……」
高松は呟き、パワーポイントでこれからの戦略をまとめていた。
ある程度資料が作り終わり、パソコンを切り替えた。
「高松さん、おはようございます!」
「おはようございます、相変わらず早いですね、鈴木先生」
「はい、朝早いと気持ちいいので…高松さんも居ると思ったし!」
「そうですか」
「今、流しましたね?」
「私は流し打ちは苦手ですよ?」
「…はぐらかし方は天下一品ですね……それはそうと、高松さん、休みの日に出掛けませんか?」
「何処に行くんですか?」
「千葉にあるランドとか!」
「成る程……千葉のランドは行った事無いですね……シーも無いですけどね」
「だったら尚更です。どうですか?」
「……なかなか暇が出来そうも無いんですよね………本業も忙しくなるし……」
「いつとは言いません、休みが取れる時に行きましょう!」
「そうですね……考えておきます」
「はい、お願いします!」
「おはようございます、高松さんと鈴木先生」
「おはようございます、高木先生」
「おはようございます、今日はまた、一段と早いですね?」
「それより高松さん、関東大会ですけど!」
「ああ、男子は3位、女子はベスト8でしたね」
「それだけじゃないんです、男子は栄浦に2点差でしたし、女子は優勝したチームに1点差ですよ!」
「確か、国浦は男女共に3位でしたね……詰まる所、国浦をどうにかしないとですね……」
「確かにそうですけど、希望が持てる試合でした!」
「希望を持つのは構いませんが、部員が自惚れ無い様に、しっかりと気を引き締めて下さい」
「……それは勿論ですけど………」
「誉めるのは最後、それで充分です。今は兜の緒を締める時です」
「……分かりました……」
「高松さん、高木先生との話は終わりましたね?……それでは、千葉のランドに行く日を決めましょう!」
「!!……どういう事ですか?鈴木先生?」
「え?…高松さんと2人で行こうって話してたんです!」
「高松さん?」
「…………ややこしくなりそうなので、今更何も言いません。私はランドには行きません」
「考えとくって言ったじゃないですか?」
「考えた結果、行かない事になりました」
「また鈴木先生の迷惑ですね……高松さん、ご苦労様です」
「違うもん、本当は高松さんも行きたいのに、40代独身女に気を使ってるだけだもん!」
「何よ、その言い方!…高松さんは本当に迷惑してるの!」
「……朝から2人で言い争っている事の方が迷惑です……落ち着いて下さい」
「「……すいません……」」
朝から賑やかな職員室であった。
朝のホームルームも終わりの時間になり、高松は授業に向かった。
本日の授業は質問と息抜きである。高松は1組に入って行く。
号令が掛かり、全員が着席をする。
「本日は、質問ならびに息抜きです。色んな事を話しましょう」
高松が話し始めたタイミングで校長先生が入って来た。
「私も参加しますね」
「分かりました、それでは……聞きたい事ある人いますか?」
高松が声を掛けると、クラス全員が手を挙げている。
「え?……こんなに居るんですか?………困りましたねぇ……」
「高松ちゃん、1度言ったんだから!」
「そうだよ、色々答えてよ!」
「介さんの事、色々知りたいんだよ!」
「分かりました…では、こちらから聞いていきましょう……答えられない事もありますからね……」
高松は廊下側の1番前の席から順に聞いていく事にした。
「高さんは、何で介護やってるの?」
「なくならない仕事だからです。リーマンショックで酷い事になりましたからね」
「介さんは、何であんなに凄いの?」
「別に凄く無いですよ…たまたま上手くいってるだけです」
こんな感じで和やかな授業となっていた。
校長先生は無言だが、笑顔で頷き授業を受けた。
午前中はこんな感じで過ぎて行った。
昼休み、高松はコンビニで買ったお握りを食べようとした時、会社携帯が鳴った。
「はい、高松でございます」
高松は電話に出ながら職員室を出て、人気の無い所に行く。
「高藤です。高松さん、今日何処かで話せませんか?」
「今日は授業の日なんですよ」
「講師が終わってからではダメですか?」
「かなり遅くなりますよ」
「今日はビジネスホテルに泊まる予定ですので構いませんよ」
「……話の内容は何ですか?」
「売上を上げる為の打ち合わせをしたいんです」
「それでしたら、丁度パワーポイントを作ってたんで、後でメールで送ります。それを見ながら検討出来ればと思います」
「流石高松さん、それでは、資料は後程メールで頂くとして……何時でもいいので、終わり次第連絡を下さい」
「分かりました、よろしくお願いします」
高松は高藤との話が終わると職員室に戻った。
「康介さん、何してたの~?」
「誰と話てたんですか?」
「スカートを履いた方ですか?」
「スカート………………ぷっ……はっはっはっはっは!」
「!?…康介さん?」
「どうしました?」
「高松さん?」
「あははは、ははは……ごめんなさい、先程の電話は、高藤さんと言って…私の会社の取締役なんですよ、みんなから怖がられてましてね……私は結構好きなんですけどね……その方がスカートを履いた姿を想像したら、笑いが堪えられなくなりました」
「そんな偉い人と話してたの?」
「何だかすいません……」
「どんな用事だったんですか?」
「ああ、今日打ち合わせをしたいそうです。遅くなりますが仕方ないですね、仕事ですからね」
高松は本日、高藤と打ち合わせをする事になった。
高松は作った資料を高藤宛にメールで送り、打ち合わせの準備を整えた。予定が夜まで詰まった日になった。
まだまだ、1日は終わりません。




