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最後の恋……  作者: 澤田慶次
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授業も大変だ!

高松は本日は大変ですね……

高松は午後の授業に向かった。

5組に入って行き、授業を始める。

「本日は息抜きです。質問があれば聞いて下さい…と言った所、他のクラスでは、全員が質問あったらしいので、廊下側から順に話を伺います。それではどうぞ…無ければ無いでいいですよ」

「はい、私は高さんの休みの日に何をやってるか知りたいです!」

「休みの日ですか……私はスポーツジムに行ってるか、寝てるかですね」

「松ちゃんの好きなタイプは?」

「たくさん食べる人ですね……後は、遠慮しない人ですかね」

「介さんの1番凄かった時のスポーツテストは?」

「スポーツテストですか……2級ですね。走り幅跳びがどうしても5m飛べないんですよね」

「高松ちゃんは、食べ物は何が好きなの?」

「う~ん……基本は嫌いな物は無いですけど、あえて言うなら、白いご飯ですね」

なかなか楽しい授業になっていた。

「私も質問いいですか?」

「どうぞ、鈴木先生」

「高松さんは、彼女を作る気はあるんですか?」

「なかなか厄介な質問ですねぇ……問題は、40を超えたおっさんを相手にしてくれる人が居るかどうかですかね」

「居れば付き合うんですか?」

「はっはっは、お互いのフィーリング等もありますからね……一概には言えませんね」

「松ちゃん、付き合うなら芸能人なら誰がいい?」

「難しい所にきましたねぇ………あんまりテレビは見ないんですけど……稲○い○みですかね」

「高っち、鈴木先生って、稲○い○みに似てると思わない?」

「……確かに似てますね……成る程、何処かで見た気がした訳だ」

「という事は……介さんは鈴木先生がタイプって事だね!」

「!?……そうなんですか、高松さん?」

「鈴木先生がOKしたら、即成立だね!」

「それは楽しそうだね!」

「みなさん、そうやって茶化す事はいけませんよ……後々困るのはこちらなんですから」

「私は特に困りませんけど?」

「……流石は大人の女性ですね、みなさん、鈴木先生に拍手」

何故かクラスから拍手を貰う鈴木先生、高松はこの切り返しでこの話を上手く煙に巻いた。

「そういえば高さん、球技大会優勝のご褒美に参加してなかったよね!」

「私は当日に、少しお邪魔しただけですからね」

「いやいや、松ちゃんが居たから優勝出来たんだよ!」

「そうだよ、高っち!」

「良く考えて下さい……決勝戦の佐藤君の活躍を考えれば、私が居なくとも優勝してましたよ」

「それは無いよ!」

「そうだよ高さん、高さんが居たから優勝出来たんだよ!」

「だから、高松ちゃんを入れて、もう1回やろうよ!」

「あら、今の意見はいいですね!…高松さん、クラスがこう言ってますから、もう一度祝勝会をやりましょう!」

「……それは無しにしましょう……これから何かと忙しいですので……」

『え~!』

「その代わり、1つだけ、どんな質問にも答えます」

『本当に!』

「はい」

クラスのあちこちで話し合いが起こった。みんなが席を立ち、色々と話し合っている。鈴木先生も参加している。

5分程して決まった様だ。

「私から伝えますね!」

「どうぞ、鈴木先生」

「高松さんがハンドボールを何時までやっていたかを知りたいです。出来れば、キャリアなんかも……」

「どちらか1つですよ」

「……だったら、ハンドボールをやっていた期間の話を聞かせて下さい!」

「成る程、そう来ましたか………約束ですからね……私は30くらいまでやってました。高校から始めたので、約14年やっていた事になります。大学でもやっていました……ハンドボール漬けでしたね……寝ても覚めてもハンドボールしか考えていない時期もありました。どうしたら上手くなれるか、どうしたら強くなれるか、それしか考えていなかったですね…………ハンドボールがあるから私がいられる……そんな風に考えていましたね……何とも、青臭い話です。ずっとハンドボールをやっていくと思ってました、出来れば、試合中に死ねたらいいとさえ考えていました……ただ、ある時に考え方が少し変わりましてね、引退を選んだわけなんです………………こんな所ですね」

クラス中が静まり返った。それだけ高松の話が衝撃だった。

いつも一歩下がり、いつも大人な対応で、誰にも分け隔て無く接する高松に、そんな過去があるとは誰も思わなかった。

まさか、[死]という単語が出て来るとは、思いもよらなかった。

クラス中が言葉を失っているとチャイムが鳴る。

「さて、授業は終わりです。みなさんの人生はこれからです……しっかりと前を向いて歩いて下さい……それでは起立…はい、ありがとうございました」

高松自身が号令を掛け、授業は終了になった。

高松が出て行ってもクラスはざわついていたが、高松の何とも言えないあの感じは普通では考えられない為、ある意味納得でありこれにより、5組の高松への関心は増していた。


鈴木先生は6時間目の授業が無い為、職員室に戻る。

職員室の自分の席に座り、先程の高松の話を思い出していた。

高松の過去のほんの1部であった話ではあるが、その考え方や生き方があまりにも自分と違っていた。

余りにも衝撃的な話に、鈴木先生は言葉を失っていたが、それと同時に余計に興味が湧いていた。

(そういえば、高松さんのタイプは私なんだ!)

ここである意味、鈴木先生らしい勘違いが生まれる。

高松は余りテレビを見ないと言っていたし、何よりも、言われてみれば似ている程度の受け答えである。

当の本人に限って言えば、言った事すら記憶に無いであろう。

しかし、鈴木先生の脳内変換は違っていた。

(高松さん、恥ずかしがって、いつもあんな態度…………もう、しょうがないな!)

どうやら色々と起こりそうである。

この時高松は、6組で大きなくしゃみをしていた。

「風邪かな?……みなさんも体調管理には、気を付けて下さいね」

との事らしい。

まだまだ続く高松の水曜日。

本当に大変です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 高松さん、それだけハンドボールに打ち込んでいたのですね! ある意味、石谷さんたちと通じるものがありそうですね!
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