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黒狼の航路(ブラックルート) ― 魔王戦記  作者: 一場れい
第1部勇者動乱編

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間話 絆強化・実践編?

 黒耀城・資料室。


 本の山に囲まれ、黒角の女司書リュミエラが淡々と解説する。


「絆は師弟関係でも発動します」


 ヴァイレンが顔を上げる。


「……はぁ?」


 セレンが真面目にうなずく。


「たしかに。私たち、師弟関係に近いです」


「監督官と見習いですし」


「信頼できる上官と部下です」


 ヴァイレン、椅子からずり落ちる。


 ドサッ。


 リュミエラ、眼鏡の奥で静かに観察。


(男として見られていないの、再確認)


「……」


 ヴァイレンは無言で額を押さえる。


 セレンは首をかしげる。


「……? どうかしましたか、ヴァイレン様」


「どうもしてねぇ……」


 声が低い。


 いつもより、低い。


 司書がとどめを刺す。


「信頼の継続は、安定型の絆として有効です」


 セレン、納得。


「なるほど」


「男女の仲ですともつれたりしますからね」


 ヴァイレン、頭を抱える。


「ちなみに、勇者の絆を強化する方法ですが」


 ヴァイレンが即答する。


「接触だろ」


「そうです」


 セレンが、迷いなくヴァイレンを見る。

 信頼そのものの眼差し。


 リュミエラは続ける。


「なお、性的な行為は不要です」


「よかった……」


 セレンがほっと息を吐く。


「その場合は、時間が必要になります」


「時間?」


「共寝、同衾などでも効果は確認されています」


「できるかボケェ!」


 即座に叫ぶヴァイレン。


「私は平気です」


 セレン全く動じない。


「平気になるな!」


「勇者パーティで同じテントや寝室で過ごすことで

 絆が強化されるとあるので間違いはありません」


 リュミエラが、ちらりと視線を上げる。


「ただし、精神的・肉体的に傷つける行為は不可です」


 その視線が、明確にヴァイレンを射抜く。


「……やめろ。そんな目で見るな」


 セレンが真顔で頷く。


「大丈夫です」


「大丈夫じゃねぇ!」


 資料室に、紙をめくる音だけが残る。


 リュミエラは書き足した。


「※実施者が混乱する例、多数」


 ヴァイレンは天井を見上げた。


(……俺だけが地獄か)



しょーもないコメディ回をどうしてもやりたい病。


最後まで読んでくださりありがとうございます。

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