表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒狼の航路(ブラックルート) ― 魔王戦記  作者: 一場れい
第1部勇者動乱編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
36/100

25 赤──教会の使者

 赤の都カザリア。

 赤郝城。


 謁見の間。


 赤い角を生やした長身の人型種族が立ち並ぶ。


 その中を、異国の装束の男が通された。


 西方教会の伝令。


 顔色は悪い。


 ここまで辿り着くだけで、覚悟が要った。


 高座に座る赤の当主。

 エルン・カルザン。


 くの字に曲がった大きな赤角。


 揺れない眼。


「要件を」


 短い。


 使者は膝をつく。


「勇者が……数名魔界で消息を絶ちました」


 周囲がざわめく。


「黒は統一を進めています」


 息を整え、続ける。


「今こそ、赤と教会が手を結ぶ時」


「共に黒へ当たるべきかと──」


 沈黙。


 当主は、しばらく何も言わない。


 やがて問う。


「勇者は貴様らにとってただの刺客か」


 魔族にとって勇者とは魔王を斃す存在。


 何度も歴史の中で現れ、魔王を名乗れば必ず勇者によって屠られた。


 使者の喉が鳴る。


「……」


「答えよ」


「……すべての勇者はそのような扱いをされていません」


 それが答えだった。


 赤の当主は目を伏せる。


「義を選別した時点で、それは義ではない」


 静かに言う。


「我らは黒に抗う」


「だが、教会のためではない」


 視線が刺さる。


「勇者を駒にする理には、与せぬ」


 使者は震えた。


「では、協力は──」


「断る」


 即答。


「赤は赤の義で戦う」


「地上の理に縋らぬ」


 使者は深く頭を下げた。


 帰路は遠い。


 そして赤は、静かに兵を再編する。


 赤の戦を、続けるために。





最後まで読んでくださりありがとうございます。

面白い、続きが気になると思われた方は、ぜひ下にある【☆☆☆☆☆】評価&ブックマークで応援をしていただけると嬉しいです。


感想もお待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ