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14 頭ゆるふわ
──訓練場
乾いた打撃音が響く。
セレンの剣は、重い。
だが止まらない。
ヴァイレンが鼻を鳴らす。
「弱ぇくせによく食らいついてくるな」
セレンは息を整えながら頷く。
「はい。強くなりたいです」
即答。
迷いなし。
ヴァイレンは少しだけ目を細める。
「……男に戻りたいとは思わねぇのか?」
セレンは首をかしげる。
本当に、分からないという顔。
ヴァイレンは一瞬、言葉を失う。
セレンは真面目に答える。
「毎日、生き残るのに必死で……」
「全然、考えてませんでした」
間。
「確かに腕力は落ちましたけど」
ヴァイレンが片眉を上げる。
「弱くなったのは認めるのか」
セレンは小さく笑う。
「でも持久力や柔軟性は上がりましたから、トントンです」
柔らかい微笑。
ヴァイレンは目を逸らす。
「自分の生き方だろ」
「頭からゆるふわかよ」
思わず手が動く。
頭を撫でかけて――止まる。
空中で止まる。
「……チッ」
手を引っ込める。
「素振りしてろ」
「はい」
セレンが剣を構え直す。
その瞬間。
空気が変わった。
天蓋が──
明るくなる。




