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【Chaotic Earth】  作者: 音屋
13/21

【第13話 ルシファーを救え!】

いつもありがとうございます。


第13話投下致します。


第14話は7月15日0時投下予定です。


そんなわけで緊急ミッションスタートである。


俺、ソラ、紫さん、レオンの4人パーティでガチンコだ。


こっちはライル、ヤマトは上総が居れば大丈夫だろう。


レオンが抜けた王国の護衛はセラムに頼んである。


東側はオルターに警戒させているので安心だ。


何か有れば連絡がくる手筈になっている。


道案内はもちろんベリアル。


彼も入れれば5人パーティだな。


今回はスピード重視なので少数精鋭で挑むことにした。


「ベリアルっちゅーたか?


ルシファー達と戦っとる奴らはどんなもんや?」


なんてアバウトな質問なんだ、ソラ…


「ベルゼブブはとにかく早い。


さらに分身体を操るかなり厄介なタイプだな。


アスタロトは多彩な魔法を使う技巧派。


レヴィアタンは圧倒的なパワーを誇る肉弾戦タイプ。


アスモデウスは知恵に長けた策士タイプだ」


「ってことはだ、必然的に俺がベルゼブブ相手ってことか?」


「せやろな?


スピード戦ならうちらの中でジンちゃんが最強やろ?」


「ソラがアスモデウス、紫さんがアスタロト、レオンがレヴィアタン、ルシファーとアザゼルとベリアルは3人を支援ってところか」


俺がベルゼブブと1対1でどこまで耐えれるかが疑問だが。


「早く助けに来てくれないと泣いちゃうぞ?」


「あらあら、泣いたらダメですよ?」


相変わらずだな、紫さん。


「儂の相手はレヴィアタンとかいう奴なのじゃな?」


1対1でレオンが負けるとも思えないのでこれは安牌だろう。


肉弾戦の1対1ならまさに無敵なのだ。


時間切れにならない限りはね。


ベリアルには紫さんの支援を頼んだ。


ルシファーとアザゼルは正直限界に近いだろうし、少しでも回復しているベリアルが一番戦力になりそうだからだ。


そんなわけでグリーンランド突入である。




ドドドドドドドーーーーーーーーン!!!


まもなく戦場に着こうかというタイミングで、巨大な竜が氷河を叩き割って暴れ回っている。


「アレがレヴィアタンだ」


ふむ、全長300メートル。


直径10メートルといったところか?


ベリアルさん、ベリアルさん、あんなのマジでどうしろと!?


「儂の相手はアレか!!


相手にとって不足は無いわ!!!」


レオン様ヤル気満々だな。


獅子の体だけあって人間よりは大型なんだが、あまりにサイズ差がありすぎだろ。


「ルシファー様がベルゼブブとレヴィアタン、アザゼルがアスタロトとアスモデウスを相手取っているようだな。


マズイ!!


アザゼルがかなり危険な状態だ!」


焦るベリアル。


「ほな先行っとくで〜」


いや、そんな呑み会に行くみたいな軽さで言われても…


瞬きの間にソラはその場から消えていた。


なるほど、瞬間移動か…


「それでは私もお先に失礼致しますね!」


帰ったらダメだよ紫さん。


失礼したらダメだよ紫さん。


行ってらっしゃい紫さん。


さてと、それじゃあ俺も行こうかね。


勝負だ、ベルゼブブ!




〈ソラVSアスモデウス〉


「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」


「貴様、何奴だ!?」


唐突に現れたソラに面を食らったアスモデウス。


交戦中だったアザゼルは九死に一生を得た体だ。


片腕は無く、膝をついた姿はあまりにも痛々しい。


「味方…なのか…」


途切れ途切れの言葉が彼の苦しさを物語る。


「ベリアルに頼まれてな〜


助っ人参上や!」


ソラは腰の小袋から砂鉄をぶちまけると無数の鉄針を創造した。


重力制御で浮いた鉄針がアスモデウス目掛けて襲いかかる。


「その様な児戯でこのアスモデウスを!」


アスモデウスは自分の周囲に次元断層のバリアを張って鉄針を防ごうと試みる。


「甘〜い、甘すぎておかわりできへんやん?」


その瞬間、アスモデウスに襲いかかっていた鉄針が全て消えたかと思うと、 次元バリアの内側に再び出現してアスモデウスの全身を貫いた。


二本の鉄針はアスモデウスの眼球を貫き、全身の針がまるでハリネズミの様に突き刺さっている。


「貴様ーーーーっ!!


今何をしたっ!」


「何って、見たまんまやで?


それともわからんぐらいアホなんか?」


嘲笑が止まらない。


「こ、このアスモデウスをアホだと!?」


「悪いけどあんまり時間かけてる暇ないねん。


サヨナラや?」


ソラの一言で全身の鉄針が消えたアスモデウス。


目を潰されていた彼は、その後に起こった事が全く理解できなかったであろう。


肉のオブジェとして分解・再構成されたアスモデウスは、表面を鉄でコーティングされてその存在を作り変えられたのだ。


そう、ソラは指定された範囲内に素材さえあればなんでも作ることができる。


たとえ素材が生物や悪魔であってもだ。


こうしてグリーンランドの古戦場には、かなり前衛的なオブジェが出現することになった。


この事件の後、本家悪魔達に悪魔だと言われるようになったのは言うまでもない。




〈紫&ベリアルVSアスタロト〉


「あら、意外とイケメンなのですね?」


「人間とはな…


ベリアル、貴様も落ちぶれたものだ」


ベリアルに侮蔑の眼差しを向けるアスタロト。


「サタンの犬に言われたくはない!」


「ならば死ね!」


アスタロトの周囲に空間の歪みが発生する。


「やらせるかよっ!」


魔界の獄炎を召喚するつもりだったのであろう。


開きかけたゲートを強制反転させるベリアル。


「アザゼルといい貴様といい、何故ルシファーなんぞに味方する?」


「天を堕とされしルシファー様だが、己自身を堕としてらっしゃらないからだ。


アスタロト、貴様にはわかるまい。


世界を呑み込むほどに貪欲なサタンの犬風情にはな!」


そんなベリアルだが、傷が完全に癒えていない今は虚勢を張るぐらいしかできない。


「あらあらあら、イケメン同士仲良くしなきゃダメですよ?


喧嘩する悪い子にはお仕置きです!」


イケメンじゃなかったら仲良くしなくていいのか紫さん…


なんというか、申し訳ない。


瞬間移動と加速、切断領域を駆使する紫さんだが、アスタロトも近距離瞬間移動を使うので中々勝負がつかない。


「仕方がないので奥の手使わせていただきますね?」


え!?


まだ何か隠し持ってるのか紫さん!?


ん?


あれ?


紫さんが一人…紫さんが二人…紫さんが三人…


…………


ドンダケ〜!?


パナい、この人マジでパナい!!


三人の紫さんのコンビネーションアタックにアスタロトもタジタジだ。


舐めきっていた表情も落ち着かなくなっている。


アスモデウスも敗退し、ソラが合流したレヴィアタンも押され気味のようだ。


アスタロトとしてはこんなところで消えるわけにはいかない。


相手の強さをキチンと受け入れた事が彼とアスモデウスの決定的な差であった。


ベルゼブブはとんでもない高速戦闘中らしく先程から全く知覚できない。


ここが潮時かと感じたアスタロトは、自分の城に用意していた身代わり人形と入れ替えの魔法を発動して逃亡した。


まんまと逃げられたベリアルは悔しさで一杯だったが、ルシファー達の身を案じる方が先だと紫さんに窘められてしまった。




〈レオンVSレヴィアタン〉


「グハハハハハハハハッ!


強い!


強いのう!!


牙も爪も通らんわ!」


レヴィアタンの猛攻に自己無敵魔法で耐えるレオン。


エリア指定する場合は設置型になるが、自分のみなら生体指定可能なのである。


「ハートよ、どうすれば良いかの?」


[月並みですが、鱗が無いところを狙うしかないのでは?]


「ふむ、背中の中央に鱗が無い場所があるが…


一か八かじゃな」


[ご武運を]


四肢のバネをふんだんに使って猛スピードで駆け出すレオン。


振り落そうとスクリュー状に回転するレヴィアタン。


その回転に合わせて螺旋を描いて駆け上がる。


お見事と言うしかない。


鱗の無い背中へ牙を突き立てたレオンだが、激しい悲鳴とともに暴れ出したレヴィアタンに振り落とされた。


レヴィアタンはレオンを無視してひとしきり暴れた後、狂気の瞳を持った少女へと変貌した。


「ほう、まだ子供であったか?」


「そんなわけあるかいなっ!?」


アスモデウスをオブジェに変えたソラがレオンの援護に来たようだ。


「見た目で騙されなや?


アレはヤバいわ。


さっきの龍のがよっぽどマシや」


アスモデウスを瞬殺したソラが言うくらいだ。


本当なんだろう。


「レオンはんの魔法に近い、ほぼ無敵の存在感や。


分解も再構成もできへんわ。


この世界にあって、この世界にあらへん、そんな感じやな。


幽霊みたいや、ほんま」


「どうしたもんかいのう…」


「重力操作も効かん。


質量が無いっぽいわ」


視線をソラからレオンに流したレヴィアタン。


微笑んだかと思うとレオンの右前脚が吹っ飛んだ。


無敵の効果は切れてはいない。


吹っ飛ぶ筈が無い。


なのに吹っ飛んだ。


「幻覚かいな!?」


「痛みなど久しく味わっておらなんだわ!」


戸惑う二人。


「手伝おう…」


唐突に後ろからかけられた言葉。


「お主は…」


満身創痍の超絶イケメン悪魔と言えば?


「私はルシファー。


ベリアルから聞いた。


助太刀感謝する」


傷だらけでもその誇りは失われていないのか、レヴィアタンをキツく睨みつけているルシファー。


「ボロボロやけど大丈夫なん?」


ソラでも心配する事があるんだな。


「問題無い。


それに、今のレヴィアタンは魔界側にズレてしまっている。


この世界の道理は通らぬよ」


「ほう…」


目を細めるソラ。


大地に手をついたルシファーは、自身の流れる血を操作して巨大な魔法陣を書き上げた。


強制送還の魔法陣だ。


「レヴィアタン、サタンに伝えろ。


世界は貴様のモノでは無いと」


魔法陣から放たれる黒い光がレヴィアタンを包み込む。


光が消えた後、彼女の姿は忽然と消えていた。




〈ジンVSベルゼブブ〉


ゴーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!


「あのベルゼブブをスピードで翻弄するとはな…」


ベルゼブブとジンの高速戦闘を目にしたルシファーは驚きを隠せない。


ルシファーだからこそ知覚できるが、並みの悪魔では見ることすら叶わぬだろう。


「ならば私は先にレヴィアタンを…」


ベルゼブブの相手はジンに任せ、暴れ回るレヴィアタンへ向き直るルシファー。


「ただの人の身でありながらそのスピードは見事だ!」


いや、ベルゼブブさん。


マジで100倍限界加速中なんですが、どうしてついてこれるんでしょうかね?


気持ち俺が勝っているからまだ生きてるが、同じレベルの速度ならもう地面にキスしているところだ。


お互い音速超えてて現実じゃソニックブーム出てるぞ?


しかもコレだ!!


「スピードではお前のが早い。


それは認めよう。


だが私はスピードだけじゃないのだよ」


分身だ。


しかも数体なんてレベルじゃない。


数十体は居るだろう。


数が増えれば増えただけスピードが落ちているようだからなんとかなっているが、このままだとジリ貧だな。


だが、カッコつけた手前なんとかしないと。


後から何言われるかわかったもんじゃない。


「さてと、エイリス。


今更だがご褒美貰っていいか?」


[本当に今更ですが、こんな時にですか?]


「こんな時だからだよ」


[仕方ありませんね。


ではしばらく寝てますので終わったら起こしてくださいね?]


「感謝だよ、相棒!」


エイリスの処理能力を一時的にリースしたジンは、限界を遥かに超えた加速をする事で状況を打破しようと考えたのだ。


自己結界最大出力。


加速度200倍。


現実時間だともって数秒だろう。


その瞬間、ベルゼブブの知覚からもジンは消えた。


わずか一瞬だ。


その一瞬でベルゼブブの分身体の大半が失われた。


焦ったベルゼブブは分身体を2体にまで絞り、一方を囮にすることでなんとか脱出を成功させた。


彼にとっては悪夢であっただろう。


己の実力ならルシファーやサタンとも渡り合える自信があった。


実際、つい先程までルシファーを追い詰めていたのだ。


それが、どこの誰とも知らぬ奴にこれほど自尊心を傷つけられるとは思ってもいなかった。


追い詰めた張本人は、この一瞬の加速で生体がボロボロになった為、後の事をソラに託してスリープモードに移行した。


「これで貸しひとつやな?


着せ替え衣装増やしとくさかい楽しみにしとき〜や」


マテコラ。


目覚めた後にエイリスからキツくお叱りを受けたのは言うまでも無い。


普段冷静なエイリスが心配して取り乱すのは珍しかったので、ちょっとだけご褒美チックであった。


あ、言っておくがMじゃないぞ?


勘違いしないようにな?

お読みいただきありがとうございます。


ストックがデンジャーゾーンです。


時間が欲しい…

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