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【Chaotic Earth】  作者: 音屋
12/21

【第12話 アイスランド】

いつもありがとうございます。


第12話投下致します。


第13話は7月8日0時に投下予定です。


伊織達の帰還から約二週間が経過した。


円卓同盟結成からはおよそ一ヶ月。


この一ヶ月間は見事にソラの独壇場だった。


この間の戦時には倒れたソラだが、今回は時間をかけて改変したので大丈夫だったらしい。


ソラ曰く。


「あん時は急がなあかん思って限界ギリギリまで構築速度上げたんや。


やけど、アニーに聞いたらそれがあかんかったらしいわ」


そんなソラだが各国それぞれの意向を汲みつつ、必要最低限の施設建設を全てクリアしたのだ。


もちろんVéineas(ヴェイナス)だけでなく、新帝都Dún(デュ) Éideann(エイディン)と新魔都Uladh(アウラ)もである。


現在の位置関係を説明しておくと。


Véineas(ヴェイナス)はロンドン付近。


Dún(デュ) Éideann(エイディン)はエディンバラ付近。


Uladh(アウラ)はダブリン付近。


Iúpatar(オプタル)はウェールズのブリストル海峡上空といった感じだ。


各都市の建設が落ち着いたこともあって、第1回円卓会議が密やかに行われることになった。


参加者は以下の通り。


ジークフリード・オルター(カスパー)


アレクセイ・ビョルン(ウィレル)


フェルナンド・ロウ


レオン・アンドリュース(ハート)


ラファト・セラム


出雲 天〈アマテラス〉(アニエス)


片桐 仁〈ツクヨミ〉(エイリス)


以上七人。


セラムが増えてG4だな。


今後、円卓の七人と言えばこの七名になる。


議題はアイスランドを誰が管轄するかという件。


北米への合同調査隊派遣の件。


Iúpatar(オプタル)で収集した現在の状況説明といったところか。


他には、ここ数日伊織とゴソゴソやっていたエイリスからビッグなお知らせがあるらしい。


この一ヶ月間に元帝国領は魔狼が、王国領は死者が蹂躙している。


住人は全てこちらへ避難させているので問題は無いが、あまり気持ちの良いものでもない。


北米南米は映像で見る限りそう変化は無い。


あと一ヶ月もすれば、ウクライナ付近で魔狼と死者が衝突するだろうと予想される。


そんな時。


[伊織の協力でデュアルコアの簡易実用化に目処が立ちました。


エメラルドコアに鳥人のデータをインストールしたモノを身に付ければ飛行魔法が使用可能になります]


爆弾魔(エイリス)さんがまたやってくれました。


俺も初耳なんだが、それは誰でも飛べるようになるってことだな?


いや、そんな事より爆弾魔(エイリス)を見つめる目がヤバい。


ソラなどは半分血走った目で睨みつけてくる。


感嘆の目はロウだ。


オルターはやれやれといった呆れた目。


「決まったで!」


何がだ?


「アイスランドはうちのツクヨミの管轄でええな?」


ちょっと待てコラ。


構わんよとオルター。


他のメンバーも似たような反応だ。


「伊織をあそこに一人で行かすわけにいかんやん?


今の話しやとエイリスと伊織を引き離すのもできへんし。


伊織は氷竜の友やから、ジンちゃん行けば問題ナッシングや!」


嫌な予感はあったんだがな…


「それにな、あそこは一番悪魔の領域に近いやろ?


襲撃の危険も多そうやからジンちゃんが一番適任やと思うねん」


逃げ道無しだな。


腹くくるしか無いってことか。


「アイスランド王ジン・エイリスの誕生や!」


勝手に王にするなっ!


「心配せんでも王宮ぐらい作ったるわ!」


そんな心配してへんわっ!


いかん!


また関西弁になってしまった。


「ほな、あとは調査隊やな」


「出すなら帝国から二人行かせよう」


「吾輩は行かぬぞオルター」


珍しくビョルン本人が参加していたらしい。


基本的に面倒な事は全部ウィレルに押し付けるビョルン。


「ライルはんとセシリアはん抜けたらうちも二人、頑張っても三人が限界やな」


ライルとセシリアは俺(エイリス)の部下ということになっているからだろう。


「真王国には猛者が少ないのでな、出せても一人だ」


「儂が行っても良いぞ?」


「ご自重くださいレオン様」


意外とロウも苦労性だな。


「セラム、ライルを行かせても良いか?」


「二人については自由にしてもらって構わない。


我々はこちらの防衛もあるので出すのは厳しいな」


今で六〜七人というところか。


強行偵察としては頼りない気もするが…


まあ、最悪逃げれば良いのだがね。


「ほなそれで一回行かせて様子見よか?


あかんかったらうちらの誰かが行くでええんやない?


調査隊には無理せんとヤバい思ったらすぐ帰って来いって言っとけば大丈夫やろ」




……胃が痛くなる第一回円卓会議であった。




さてと、気になるアイスランドメンバーについてだが。


俺、伊織、ライル、セシリア、イマラ、ブレン、アマテラス邸次席執事の高坂礼司(コウサカレイジ)となった。


ソラが希望者を募ったらイマラとブレンが手を上げたらしい。


ブレンは分かる。


俺の酒の虜だからだ。


しかし何故イマラまで…


高坂は上総から指示されたそうだ。


執事としてはまだまだのアラサーだが戦闘力は上総のお墨付きである。


もう上総に足を向けて眠れないな。


アイスランド移住希望者は予想通り少なく、ネルソン達魔奴隷にも移住協力してもらうことになった。


全員で1万人程集めることができたのでなんとか形にはなるだろう。


こちらが色々準備を行なっている間にソラが現地に街を作ってくれた。


場所はもちろんレイキャヴィーク付近だ。


冗談だと思っていたのだが中世風の古城があったのには驚いた。


王宮やで〜とご丁寧に書き置きまでしてあるところがソラらしい。


高坂と伊織がやる気満々で中に入っていったのもツボだった。


イマラは寒い寒いと言って俺を湯たんぽにしている。


そんなに寒いなら何故来た!?


っていうか薄着すぎるんだよイマラは!


胸を押し付けるんじゃない!


柔らかいではないかっ!


…コホン。


レイキャヴィークのある西海岸は暖流の影響もあって東側に比べれば随分と暖かい。


アイスランドは北海道より一回り大きいぐらいの島なんだが、緯度の割にはかなり過ごしやすい気候で四季もある。


城の中へ入ってみると思ったよりも暖かかくて驚いた。


どうやら温泉を使って温水床暖房構造になっているようだ。


ソラ、君は本当に神様だな。


アイスランドは火山島でもあるので温泉が豊富なのである。


もちろん場内に温泉浴場も設置してあった。


至れり尽くせりである。


アイスランドは最前線になる可能性が高いので、伊織、イマラ、ブレン、高坂はエメラルドコアのペンダントを装備している。


もちろん各国の主要メンバーも既に装備済みだ。


その内飛行レースでも開催しよう。


三日後、引っ越しも落ち着いたので伊織に頼んでブルーに挨拶させて貰った。


彼は想像以上に知的で落ち着いており、今後も良い関係を築けそうである。


それにしてもだ。


想像を絶する美しさだな。


まるでアイスランドのブルーダイヤモンドと呼ばれるアイスケーブの様だ。


魅せられるとは正にこの事だと思う。


ウィレルの魅了とは大違いである。


「陛下、国名はどうされるのです?」


誰が陛下だ!?


「ライル、冗談だよな?」


「アマテラス様が国名と街の名前を早く教えろと…」


…………


こうなりゃヤケだな!


氷の国ってことで国名はNibbleheim(ニヴルヘイム)で良いだろう。


首都の名前はOighear(アイーズ)で意味は氷。


ソラ好みで文句は無いだろう。


決して俺の好みじゃないぞ?


ソラの好みに合わせただけだからな?


…これは重要なポイントなのでテストに出るからしっかりとノートを取っておくように。




調査隊についてだが、パーティリーダーはライル。


新帝国から聖騎士(パラディン)ロスヴァント・ニールセンと魔導騎士(ソーサリアン)アルフレッド・ティンバーレイク。


真王国から拳獅子の異名を持つラルク・ゴードン。


ヤマトからアインとクリフの天冥コンビ。


イマラとブレンがこっちに来てしまったので二人が限界だろうな。


計六人のパーティとなる。


ライルに何かあった場合にはロスヴァントに指揮を頼んだ。


鬼が出るか蛇が出るか?


まあ、出るのは悪魔なんだがね。


メンバーも決まって出立の準備が行われている中、その事件は起こったのである。




「陛下、ボロボロに傷付いた悪魔が単独で西の空に現れた模様です。


如何致しましょうか?」


ブルータス、お前もか?


「セシリア、頼むから陛下はやめてくれ…」


「ですが…」


「ライルと同じ様にジンで良い」


「ジン陛下、如何致しましょうか?」


それだと何も変わっていないよな?


背筋に鳥肌が立つんだが…


「俺(エイリス)が行く。


セシリア、護衛頼むぞ」


「かしこまりました」


飛べなくて申し訳ない。


本当にすまない。


エイリス、あとは頼んだ!


[いい加減治せませんか?]


諸悪の根源が何を言う!?


治せるものなら治したいわっ!


そいつはさておき、悪魔同士で何かあったのだろうか?




件の悪魔だが、べリアルと名乗るイケメン悪魔だった。


べリアルってあのべリアルだよな?


ソロモン72柱68番。


全身血だるまな上、翼も羽が毟られ見る影もなくなっている。


かなり激しい戦いの後なのだろう。


べリアルの話では、サタンがルシファーを倒そうと喧嘩を吹っかけたそうだ。


ボロボロのべリアルは劣勢のルシファー陣営だ。


ルシファー達はグリーンランドまで追い詰められており、仲間のアザゼル達も踏ん張ってはいるが時間の問題らしい。


予想の斜め上をいくカオスな展開だな。


べリアルはルシファー達を助けて欲しいと懇願しているが…


恩を売れるなら売っておきたいところではある。


「べリアル、襲って来ているサタンの軍勢はどんな感じなんだ?」


今はどんな情報でも欲しい。


「主力はベルゼブブ、アスタロト、レヴィアタン、ベヒモス、アスモデウスといったところだ」


有名どころじゃないか。


「こちらはルシファーがベルゼブブ。


アザゼルがアスタロト。


サタナキアがレヴィアタンとベヒモス。


俺がアスモデウスとやりあってたんだがサタナキアがベヒモスと相打ちになっちまってな。


俺はアスモデウスとレヴィアタンにやられて逃げるのがやっとさ」


それでボロボロなのだな。


「ってことは今はルシファーとアザゼルで悪魔四体抑えてるってことか?」


「いくらルシファー様とアザゼルでもあの四体相手では厳しいだろう。


ベルゼブブとレヴィアタンの強さは魔界でも屈指だからな」


問題はそんな敵にどう戦うかなんだが…


「ルシファー様を助けることはお前達にとっても損は無いはずだ。


あの方は確かに傲慢かもしれん。


だがサタンと違いむやみやたらに人を滅したりはせん!


今も人間を庇ってサタンと戦って居られるのだ!」


なんだと!?


「庇ってというのはどういうことだ?」


「俺達が現界した土地に住んでいた連中だ。


今はパイモン達が連れて氷の地へ逃げている。


サタン達が全て殺そうとしたのをルシファー様が止めたのだ。


ルシファー様が敗れればどうなるかなど想像がつくだろう」


確かに…


皆殺しになるのは間違いないだろう。


コイツは本気(マジ)でほっておけない。


調査隊の出発は延期させてルシファーの救出が優先だな。


だが相手が相手だ。


生半可な腕だと返り討ちの可能性が高い。


ソラとレオンに協力を頼むか。


紫さんにも来てもらえれば助かる。


というか来て欲しい。




そんな訳で俺はソラとロウに緊急通信を行い状況を説明し協力を要請した。


オルターまで駆り出すわけにはいかないので今回はスルーだ。


あとで連絡だけはするつもりだがね。




緊急ミッション、ルシファーを救え!


開始である。

お読みいただきありがとうございます。


基本的にテンポ最優先で書いておりますので分かりにくい部分があるかもしれません。


ご容赦くださいますよう宜しくお願い致します。

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