第40話 いざドバイ渡航準備
(さて、これでとりあえずの売り先は確保、次は……)
「カズキはん~。買いたての下着、着てみたけど、どやろか?」
アフマドとのビデオ通話を終了したところにちょうどシャワーを済ませたカス子が部屋に戻ってくる。
(紐パン彼シャツだと!?)
紐々しいレース生地の上下に彼シャツという、いかにも和樹の好感度を稼ぐための媚びが垣間見える格好に和樹のIQが下がりかける。
が、今はFIRE計画が上手く進むか否かの背戸際。
(昼間見たおばちゃんで脳内を汚染するっ! オゲェぇぇぇ!!!)
失礼極まるカウンターを行うことでIQ低下を阻止する和樹。
代償として急激なSAN値低下に内心メンブレしかけつつ、カス子に提案する。
「カス子。ちょっと大きな取引をするんだが……豪華な旅行したいか?」
「したい!!」
和樹の問いに即答するカス子
「おっし。じゃあカス子」
「なになに? なんや? 豪華な航海とかするん!? じゃあドレスとか!?」
「渡航のためにお前一旦ニューモンの街に戻すわ」
「?? どういうことや? うち、豪華客船に乗れるんちゃうん?」
何か勘違いしているカス子に和樹は計画を説明する。
「まずな。俺はドバイっていう超絶豪華キラキラな街に飛行機っていう空を飛ぶ船で行くんだがな」
「何それ! めちゃ乗りたい!!」
「残念だが国際線はパスポートがないと乗れないんだ」
「えぇー? なんとかならへんの?」
「お前のために危ない橋渡るつもりはないから却下」
「そんなぁ……」
「旅先の豪華な滞在は保証してやるからそれで我慢しろ。で、お前は飛行機には乗れない。なら俺だけ飛行機に乗ってそこで異世界ドアを開いてお前を連れていけばいいって寸法な訳」
なお、実際ドバイにカス子を連れて行く事はFIREを果たすためにはリスクしかない行為なのだが、ドバイのキンキラな雰囲気でセルフドバイ案件(ノーマル性癖範囲)に洒落込みたい和樹はそのリスクを無視していた。
「なるほど、カズキはんの持ってるポータルは開ける場所は可変で行先固定できるってことやね? それを利用してうちが飛行機に乗れないっていうハードルを突破する、と」
「そう言うことだ。大体ドバイまでは家から向こうの空港出口までだとほぼ一日かかる。日本とナーロッパでは大体ナーロッパの方が8倍くらい時間の流れが早いから、一週間ちょいくらいお前はナーロッパで待機だな」
「わかったで! あ、魔法奴隷契約の結び直しはするけ? ドバイ? ってところはマナあるんかな?」
意外なことに、自ら魔法奴隷契約の結び直しを提案してくるカス子。
「こっち戻ってきたら多分また切れるからいらん。と言うか意外だな。お前からそんな提案してくるなんて」
「魔法奴隷契約は無効になっても法的にはカズキはんの奴隷なんは変わらんさかい、ニューモンの街を8日もフラフラしとったらギルドの逃亡奴隷狩りにつかまりかねんもん」
「単に自分の安全のために先手を打っただけかよ」
「それにうちの初めてはカズキはんに奪われてもうてるさかい、逃げる気ももうあらへんし、結び直ししてもえぇかなって」
「(とりあえずギルドでリチャードに聞いて移動中のこいつの預け先は考えるか)ま、諸々はナーロッパに行ったら考えるわ」
「さよけ、じゃあ、今夜はどうするん?」
大まかな手順を聞き終わったと判断したカス子はシャツをはだけた状態で胸元を強調するように前屈みで和樹に聞いてくる。
「(ババアブロック!!)とりあえず少しだけ俺だけでナーロッパ行って、メイン取引先の商会に大型取引の予告だけしてくるわ。帰ったら今日も豪華なホテルでフィーバーじゃい!」
そういうと、和樹はカス子の誘惑でIQが下がる前にいそいそと異世界ドアで商会に大型取引の予告をすべくナーロッパへのドアを開けた。




