第30話 脱童貞後の朝
朝。
都内のそこそこ高級なラブホテルの、無駄に広いキングサイズベッドの上。
昨日の朝から警察に任意聴取と言う名の厳しい取り調べを受け、その帰りにカス子の帰還があり、なんやかんやでラブホテルにGOした和樹は……。
(これが非童貞が迎える朝か)
なんと、そのままカス子と最後まで行くことができた。
つまり満願成就であった。うっそだろおい。
(アーメン・ハレルヤ・ピーナッツバター♪ 世界って美しいな。愛に満ちてるよ、今のトレンドはラブアンドピースだよ)
和樹の脳内ではファンファーレが吹かれ、生きとし生けるものすべてが和樹を祝福している感覚だった。
(うひひひひひぇー、最高の眺めじゃねえかよ)
ベッドから上体を起こしたまま視線を下げる和樹。
視線の先にはスヤスヤと全裸で眠る銀髪褐色美少女(巨乳)、カス子の姿。
(寝起きに隣に全裸の美少女。そうだよこれが人生ってもんだよ)
寝起きに隣に超絶美少女。
この風景だけで、カズキの脳内ではドーパミンがドパドパ状態だった。
(いやぁ楽しかった。昨日は最高だったわ。すっきりした)
「んぅ……」
散々自分を騙してきたカス子の頬をつんつんしながら、和樹は昨夜の目くるめく夜を脳内で再生する。
部屋に入った途端、ラブホならではのギンギンギラりのゴージャスな雰囲気に圧倒されるカス子の手を引きお風呂にもつれ込み、そのままジャージを引っぺがしてのお湯を張りながらの広いジャグジーバスルームでのお風呂っクス。
さっぱりして軽食を取った後は、部屋にあった大人のおもちゃ自販機のグッズを一通りピンポンダッシュの様に全部開けてフル活用。
和樹の長期(と言っても数週間程度だが)に渡るカス子への鬱憤は、カス子の身体を文字通りしゃぶり尽くすことで綺麗さっぱり浄化された。
「さて、と……おーいカス子。朝だぞー?」
和樹は大きく背伸びをした後に、声をかけながらカス子の胸をわし掴みにする。
「ひゃぁ!? あ。あれ!? ここは……」
意外にかわいい声を上げてカス子は飛び起き、あたりを見回して和樹と視線が合う。
「あ。あー……ご主人様ぁ、おはようさん……❤」
一拍前の声より半トーン上がった猫なで声で、何も隠してない胸ごと和樹に身体を擦り付けてくるカス子。
家出(?)中の経験でここが暗黒大陸ではない、和樹のみが行き来できる世界と理解した結果、逃亡より取り入る方向に舵を切ったのだろう。
今使える唯一の武器をである恵まれた容姿を総動員し、和樹に取り入るべく媚び媚びの媚びにフルスロットルであった。
「おふぅ……(そうだよこれだよ! これが人間の文化的な生活ってもんだよ。色即是空ってやつだな)」
今のお前に当てはまるのは頭すっからかんの『空』だけだよ。
「なぁなぁご主人様ぁ。ウチ、お腹空いたんやけど、朝ごはん頼んでもええ? 昨日、なかよしさんする前は少ししか頼んでくれへんかったし……」
お腹を撫でながらカス子が言うと、くーという可愛い音がカス子から響いてくる。
昨夜の和樹は、性欲が食欲を完全に凌駕していたため、ホテルにチェックインするなりルームサービスを適当に一つ二つ頼んだだけで事に及んでいた。
「ああ、好きに頼めよ」
和樹はベッドから降りてテーブルに備え付けのタブレットをカス子に渡す。
「……うち、ご主人様の国の言葉分からへんのやけど」
「このラブホ、タッチパネルで写真から選ぶやつだからカス子でも選べると思うぞ」
「タッチ……? うわなんやこれ!? 絵が動いとる!? あ、これとか美味そうやん!」
タブレットに目を白黒させつつおっかなびっくりほしいメニューをタップするカス子。
「多分注文受けてから作り始める奴だからちょっと時間かかるぞ?」
「そうなん? せなら……朝食前に、うち、食べる?」
「最高の朝食だぜぇ!!!!(いいね、カス子を先に食べようかな♪)」
困難(?)を乗り越えたご褒美タイムを前に自重する和樹ではなかった。
料理が来るまでの数十分、和樹は再度カス子を堪能する。




