悲劇の夢
ユウは夢を見ていた。
夕日が沈もうとしている最中、幼馴染のミユと一緒に下校していたときの悲劇の光景を。
「夕! 夕! しっかりして!」
血だらけのミユが夕の手をとり、泣きながら必死に呼びかけている。
「――み、ミユ……」
ミユに呼ばれ、目を開く。しかし視界はかすんでおり、意識もあいまいであった。
「――オレは、ぐふっ!?」
血を吐きだし、今の自分の状態がやばいことを察する。
(そうか、オレは暴走するトラックにミユと轢かれて……、ダメだ、意識が……、これはきっともう助からないな……)
なんと猛スピードで暴走するトラックが、歩道を歩いていた夕とミユに突っ込んできたのだ。そして二人は不運にも轢かれてしまったのである。
「夕! どうしてアタシなんかをかばって……」
(そうだ! ミユは無事なのか!?)
轢かれる瞬間、夕はミユを庇おうとしたのだ。結局二人とも撥ねられてしまったが、彼女の容態はどうなのか。かなりケガをしているみたいだが、少しは被害を抑えられていればいいのだが。
(――せめてミユだけでも助かってくれたらいいんだけどな……)
消えゆく意識の中、ミユだけでも生き延びてくれることを祈るしかない。
「夕、お願い! 一人にしないで! アナタがいなくなったらアタシは……」
(――ここまでか、短い人生だったな……。ははは……、――せめてもう少しミユのそばにいてやりたかったな……)
泣きじゃくり必死に懇願するミユの顔を見ながら、夕の意識は完全に闇に落ちていき。
そこで目を覚ますユウなのであった。




