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幼馴染は全員勇者!? 女神さまに勇者の使命を託されたのは一人だけではなかった件!?  作者: 有永 ナギサ
1章2部 勇者の回廊

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仕掛け扉

 神殿のダンジョンを二人で奥へ進んでいると、四メートルほどの重厚な扉に出くわす。そしてそこにアリアが両手で頭を抱え、なにやら困っていたという。


「おや、アリアなにしてるのでしょうか?」

「この扉全然開かないんだけど~!? どうなってるのよ~!?」


 アリアは大きな扉を足でドンドン蹴りながら、文句を。


「もしかして鍵でもいるのか?」

「そんなのここに来るまでなかったし~! そもそも鍵穴もなくない?」


 立ちふさがる扉には鍵穴がない。手が触れられる高さに、意味ありげな水晶が埋め込まれているだけだ。


「ふむ、これは仕掛け扉ですね。なるほど。魔法でギミックを解ければ開くタイプみたいです」


 デューナは扉の水晶に手を触れ、仕掛けを見抜いていく。


「なんでこんなまどろっこしい仕掛けがあるのよ~!?」

「ここは試練の場ですよ? 勇者にふさわしいか試すのは当たり前でしょう。ふふふ、その様子だと、脳筋のアリアは本来ここで脱落だったみたいですね」


 デューナはやれやれと肩をすくめ、くすくす笑う。


「ははは、アリア残念だな。ここで退場なんて」

「ユウ、笑ってるけどアンタもここ突破できないでしょ!」

「アリアと違って、初歩的な魔法なら使えるからな。どれ? どんな仕掛けだ」


 ユウは扉の仕掛けに触れる。

 すると扉の上部になにやら複雑な紋章が現れた。どうやらマナでこの紋章を動かし、正しい形にするタイプみたいだ。

 ちなみにユウが使える魔法は本当に初級程度。魔法はマナをうまくコントロールし、属性や形などさまざま組み替えないといけないため正直ニガテなのである。戦闘でも初級魔法を使うぐらいなら、剣で斬ったほうが早いのでほとんど使わなかった。アリアも同じ考えなのと、そもそも彼女は魔法の才能が全然で使えなかったという。


「うん、ムリだ。こんな扉破壊してしまえばいい」


 ユウは仕掛けを解くのを諦め、剣で破壊しようと。

 頭を使う仕掛けだったのと、マナでの操作も思うようにできなかったため早々あきらめたのであった。


「ほら~、いわんこっちゃない。ユウも脱落ね~!」

「うるさいな、破壊して進んでしまえば、こっちのもんだろ」

「――はぁ……、ユウもやっぱり脳筋ですね。これぐらいの仕掛けも解けないとは……」


 デューナはわざとらしくため息をついて、頭をかかえる。


「――くっ……、そういうデューナは解けるのかよ」

「そうよ! 大口たたいてるけど、これで解けなかったら笑いもんよ~! なんか見るからに難しそうだしね!」

「ははは、だよな。オレもどう解けばいいのかサッパリなぐらいだし!」

「あはは、ムリそうなら、ユウの案に逃げても」

「はい、解けましたよ」

「「え?」」


 二人でヤジを飛ばしていると、デューナは一瞬で仕掛けを解き扉を開けた。

 その光景を見て固まるユウとアリア。


「こんな簡単な謎解き、一瞬でわかりましたよ。二人とも腕っぷしだけでは勇者は務まりません。ときには頭を使わないと」

「ふん、余計なお世話よ~! 何事も力さえあればなんとかなるんだから~! ね、ユウ」

「内容的にあまり同意はしたくないが、この場はうなずくしかないな!」

「勇者として、ちょっとあるまじき発言ですね」


 開き直るアリアとユウに、デューナはジト目を向けてくる。


「さあ、扉も開いたことだし、行きましょう♪」

「そうだな! どんどん進もう!」

「――はぁ……、ここにワタシがいて本当によかったですね」


 耳が痛くごまかすユウたちに、やれやれと口元を緩めるデューナであった。

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