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困惑と警戒

今回かなり短いです。

生徒会室のドアが締まり、足音が遠ざかると会長以外の生徒会役員が会長に詰め寄った。


 「会長!どういうことですか!?」


 ショートボブの小柄の少女の生徒会会計、後藤桃花ごとうももかが、生徒会長である水沢奈月みずさわなつきに大声で詰問する。


 「他にも応募してきた人、たくさんいたはずだけど、どうして彼なの?」


 切れ長の目のメガネの少女の生徒会書記、鳥居千絵とりいちえが桃花に続く。


 「うん、なんというか気に入ってしまってな」


 奈月が頬を掻きながらそう答える。


 「どうしてよりによって男子なんですか!? 女子の応募者もたくさんいたのに!」


 「相変わらずの男嫌いだな桃花、だがすでに女子四人の生徒会だぞ? これ以上女子が増えるよりは男手がほしい」


 「まあまあ、奈月の独断専行は今に始まったことじゃないじゃない。それに私もなんだか彼ならうまくやってくれそうな気がしますわ」 

    

 風香が奈月に賛同する。


 「そうか、風香ならわかってくれると思ったぞ」


 奈月と風香が笑い合うのを見て桃花が、


 (神楽屋恭一……要注意人物ね)


 右手の親指の爪を噛みながら、彼女の脳内の要注意人物リストに恭一の名前を足した。

 そして千絵も、


 (神楽屋恭一……会長に近づくなら容赦はしない)


 と静かに闘志を燃やした。

    

一方その頃恭一は、


 「なんだ? 背筋がゾクゾクするぞ」


 原因不明の悪寒にとらわれていた。


 「大丈夫ですか?恭一さん」


 「ああ、気のせいだろ、大丈夫だ。それにしてもイチかバチかの賭けのつもりで応募したんだけど、すんなり選ばれたな」


 「ウフフ、実は、他の人から好意的に見られやすくなる加護をかけておきましたから」


 ルキエナから悪戯が成功した時のような顔でタネ明かしをする。


 「ちょっ、おまっ、それってズルってやつじゃ?」


 「まあ、でもあくまできっかけ作りの加護ですから」


 「昨日、ウアルフェと内緒にしてたのってこの事だったのか?」


 「でもここからは恭一さんの行動次第ですよ。頑張ってくださいね」


 「はあ……やってみるよ」


 恭一は明日からのことに不安と期待を膨らませながら帰宅した。

お読みいただきありがとうございます。

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