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大助がスノースライムに焦りまくっている間に、クロウは残り2体を秒殺して、大助が落としたダグラスを回収し、大助が太刀を振るう姿を見ていた。
「あの構え……見た事がないですね。へっぴり腰ですが、キチンとあの武器を扱えているようです。」
「……まぁ、わしらの見た事も聞いた事もない物じゃ。あやつらでどうにかするしかあるまい。」
落ちた時に少し毛布が緩んだのか、ノソッと顔を出してダグラスが言った。」
「しかし……ダイに教えなくても良いのでしょうか……精霊の事。」
「……今のあやつに伝えたら、死ぬぞ。……自分を責めて……な。」
ダグラスの言葉に、クロウは黙るしかなかった。
「いやぁ、ダイ様!、カッコ良かったッス!!。こう、スノースライムを睨み付け、ズバッて……カッコ良かったッスよ!!。」
スノースライムが現れた時に、兎族だけに脱兎の如く逃げ出したマルタは、いつの間にか戻ってきて、大助の周りをはしゃぎながら跳ねた。
「……相変わらず兎族は、逃げ足が早いのう。」
ダグラスはマルタをチラリと見、背を向けながら呟く。
「相変わらず亀族は鈍足ッスね!!。一緒に移動するのに抱えてもらわないといけないッスもんね!!。」
マルタも負けずにダグラスに背を向け言った。
「お2人共、下らない言い合いは止めて下さい。みっともないですよ。ダイ、そろそろ行きますよ。……ダイ?。」
クロウは2人を嗜めながら大助に言った……が、大助は太刀を抜いたまま立ち尽くしている。
「ダイ?。……ダイっ!!。」
大助はクロウの声にビクッと震え、われにかえった。
「あっ、はい!!。えっ、はいっ、あっ……、すいません、師匠を抱えてもらって。」
大助は慌てて太刀を鞘に収めると、クロウからダグラスを受け取った。
「……大丈夫か?。」
「大丈夫……だと思います。すいません。」
ダグラスの問いに、大助は微妙な返事をした。
「早くスノードラゴンを見つけて、月石を回収しないと……。クロウさん、案内お願いします。」
「……わかりました。こちらです。」
クロウは大助の言葉に気にはなったが、敢えて触れずに山道を先に進んで行った。




