ー26ー
「スノードラゴンか……懐かしいのう。」
「懐かしがってる場合じゃないしっ!!。」
盥でチャプチャプしながら話すダグラスに、大助は思わずツッコんだ。
ースノードラゴン
ロハ山付近に棲むブリザードドラゴンの下位種。
体長約3メートル。
口からのブレスと硬い爪、長い尾を使って攻撃してくる。
性格はやんちゃ。
肉食。
「やんちゃって、子供じゃないんだからっ!!。」
「ブリザードドラゴンの子供ですよ。」
「人の子とは違うでしょっ!?。」
クロウの冷静な言葉にもツッコミを入れる大助は、パニクっていた。
【だいちゃん!!。うるさいっ!!!】
ついに太刀に怒られる。
「……だって。」
太刀に怒られ悄気る大助。
あれから大助はクロウと共に宿屋に戻り、これからの事を話し合っていた。
大助にしてみれば、まさか最初のクエストがドラゴンだなんて思いもしなかった為、1人騒いでいた。
「ドラゴン種の中では最弱ですし、月石の為です。」
クロウは大助に向かって、真剣な眼差しで言った。
「でも……せめて最初はスライムとかと戦ってさ……。俺、まだ、どう戦っていいかわからないし、魔法も1つしか……。」
大助は俯きながら呟いた。
「スノースライムならおるぞ?。」
「そうじゃなくてっ!!。」
ダグラスの声に被るように大助は叫んだ。
「怖いんだよ……俺のいた世界じゃ、何かと戦うとかなかったし……死にたくないし。」
大助はそう言うと下を向いたまま黙ってしまった。
「貴方は……馬鹿ですか?。」
クロウの言葉に、大助はイラッときて顔をあげてクロウを見た。
クロウは怒っていた。
「貴方は土下座までして、私に助けを求めたのを忘れたのですか?。」
クロウの強い口調に大助はビクッと身を震わせた。
「私は……貴方の思考は理解出来ませんが、貴方の願いを受けた以上、スノードラゴンごときに殺させません。」
クロウはハッキリと言い切った。
「大体……お主1人で行かせる訳なかろう。……本当に馬鹿なのか?。」
ダグラスは盥から身を乗り出して大助に言った。
【だいちゃん、馬鹿だよね?。】
太刀もカタカタ音をたてる。
「……そんなに馬鹿馬鹿言わないでよ……。」
大助は恥ずかしくなってまた俯いてしまった。
「さて……後は回復役が欲しいのう。」
ダグラスは何事もなかった様にクロウに向かって言った。
「その事なんですが……私の友人の弟子を連れて行こうとは思うのですが……。」
先程とはうって変わって歯切れの悪いクロウ。
「何じゃ?。何か問題があるのか?。」
「……実は……兎族なんです。」
「わしは行かんから、ダイ達だけで行ってこい。」
クロウの言葉を聞いた瞬間、ダグラスは盥の湯の中に引っ込んだ。
「えっと……師匠?。」
大助がダグラスに声をかけるが、反応はない。
「あの……師匠?。」
大助が更に声をかけると、ダグラスは首を伸ばして叫んだ。
「わしは、絶対に、兎族とは行かんぞっ!! 」




