ー24ー
扉を進むと……そこは雪国だった。
「って、メッチャ寒いんだけどっ!!」
大助はガタガタと震えながらダグラスに叫んだ。
「………………うむ。」
ダグラスは目を閉じてフワフワと浮いていた……が、次の瞬間、ゆっくりと雪の上に降り動かなくなった。
「……冬眠ですね。」
「冬眠って、駄目なヤツだからっ!!」
クロウの冷静な言葉に、大助は焦ってダグラスを抱き抱えると激しく揺さぶった。
「師匠っ!!寝るなっ!!!起きろって!!!。」
「………………うむ。」
「うむ、じゃなくってっ!!。」
「…………Zzzz……。」
「ねーるーなーっ!!!。」
……前途多難である。
「いや、一時はどうなる事かと思ったぞ。」
ダグラスはそう言いながら、盥の湯の中で大きく延びをした。
「それは此方の台詞だよ。」
大助はかなり草臥れた感を出しながら呟いた。
ここはミラ・ククルの最北にある町、ナカハの宿屋の一室である。
あの後、ダグラスを抱えた大助は、クロウの案内で1時間近く雪原を歩いて、この町にたどり着いた。
クロウは任務で訪れた事がある為、迷う事なくこの宿屋に大助を連れて来た。
(……はぁ…さっきはビックリしたなぁ)
盥でチャプチャプしているダグラスを尻目に、ベットに横になった大助は宿屋に着いたばかりの時の事を思い出していた。
クロウに連れられて宿屋に入った時、カウンターに居た店主が……。
(店長に激似なんだもんなぁ……)
大助の働く店の店長にソックリだったのだ。
「ダイ、どうかしましたか?。」
「いえ、ちょっと気が抜けただけです。」
クロウの問いにそう答えると、大助は起き上がりクロウを見た。
「それで、これからどうするんですか?。」
「そうですね……、まずはギルドに行って登録しないと。貴方は身分を証明するものが何もないですから。」
クロウはそう話しながらダグラスの甲羅に湯を掬って掛けていた。
ダグラスは気持ち良さそうだ。
「師匠とクロウさんは?。」
「持っとるぞ。」
「私も持っています。」
2人は当たり前かの様に答えた。
【だいちゃん、いいなぁ。サユリも欲しいなぁ。】
太刀がカタカタと音をたてて話す。
「貴女の分は無理ですが、ダイのカードの使用武器欄に名前を入れる事は可能ですよ。」
【本当!?だいちゃん!サユリの名前入れてね。】
「勿論。何時も一緒だからね。」
大助は太刀を優しく撫でながら答えた。
クロウはそんな大助を冷めた目で見つめていた。
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