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go home   作者: フラン
21/36

ー20ー



「……お主。」


ダグラスは呆れたような声を出し、魔王とクロウは無言で大助を見た。


「…………ごめんなさい。」


3人の視線が痛くて、大助は頭を下げた。

そんな大助に魔王は何でもないように答えた。


「そうだよ。僕は元勇者で今は魔王だよ。おかしいかな?。」


「えっと……何で?。」


「何でって……たまたま?。」


大助の問いに、首を捻りながら答える魔王。


「たまたまって……そんなもんなの?。」


「そんなもんだよ。」


「そんなもんじゃろ。」


「そんなもんです。」


大助が聞くと、魔王だけでなくダグラスやクロウもそう答えた。

それ以上は聞けない雰囲気を感じた大助は、仕方なく黙った。


「で、ダイが激弱で心配だから、クロウに先生として同行してやって欲しいんだよ。頼むよ、クロウ。」


魔王はクロウの方に向き直ると、そう言って顔の前に両手を合わせた。


「……魔王様。相変わらず貴方は甘いですね。」


クロウはそう言って暫く魔王を見ていたが、やがて深くため息をつき、大助の前まで来ると、ジッと大助の目を見つめた。


「あ……あのっ、お「黙りなさい。」……はい。」


大助はクロウの一言で黙った。


「「……………………。」」


暫くそのまま見つめあっていたが、やがてクロウが大助に問いた。


「貴方はどうしたいのですか?。」


「えっ、あのっ……家族の所に帰りたいです。」


大助はクロウの目に怯えながらもハッキリと言った。


「俺は……スライムより激弱で、剣はあるけど使い方がわからないです。魔法も師匠から珠を貰って使えるだけです。」


大助はそこで1度区切り、目を閉じた。

そして心を決めると、クロウの目をシッカリ見据えて続けた。


「俺はこの世界の事を何も知りません。1人では何も出来ません。だけど、どうしても家族の所に帰りたいです。この世界で死にたくないです。だから、俺が生きて帰れるように、クロウさんの力を貸して下さい。」


大助はそこまで言うと、膝をつき土下座した。


「クロウさん、お願いします!!」




「………帰りたいから力を貸せ……ですか。……自分勝手な願いですね。」


クロウの抑揚のない声に大助は硬直した。


「……しかし……。」


クロウはそう続けると、大助と同じ様に膝をつき、大助の手をとった。


「真っ直ぐで素直な願い。土下座されるのは久し振りですね…………魔王様以来です。」


クロウの言葉に大助は思わず顔をあげ魔王を見た。

魔王は顔を赤らめながら、ポリポリと顔を書いていた。


「ダイ。魔王様の命ではなく、貴方からの願い……このクロウ、お受け致します。」


そう告げたクロウの顔は、まるで母のような優しい笑顔だった。




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