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go home   作者: フラン
20/36

ー19ー



ーその人は美しい人だった。


長い黒髪。

切れ長の黒い瞳。

透けるような白い肌。

黒い鎧を着ているが体格は細く、背は160センチ前後。

鎧と揃いの兜を小脇に抱え、腰には黒い鞘の剣。

ゆっくりと、それでいて隙のない歩き方。


ー大助はその人に見惚れた。


「魔王様。人を指差すのは止めるよう、何度も注意しているはずです。それと、私は1兵士です。誤解を招くような言動は慎んで下さい。」


その人は玉座の前まで来ると、女性にしては少し低い声で魔王を咎めた。


「そうやっていつも僕を叱ってくれるのは君だけだ、クロウ。母も同然だよ。」


魔王はクロウに笑顔でそう言うと大助を見た。


「ダイ、紹介するよ。彼女はクロウ。君と同じ人族で、君の旅に同行する……うん、君の先生だ。」


魔王そこまで言うとクロウを見て言った。


「いいよね?、クロウ。」


「……魔王様、説明を要求します。」


「………メンドイんだけど。」


「…………魔王様。」


クロウはジト目で魔王を睨んだ。


「…………はぁ。わかったよ。」


魔王はクロウの視線に負け、事の経緯を話した。

その間、大助はダグラスに小声で疑問に思った事を聞いた。


「あの……ここ魔王城だよね?。何で人族がいるの?。」


「人族だけじゃない。獣族も妖精族もいるぞ。勿論、魔族もいる。」


「いや、だから何で?。」


「?。何でっていたいからじゃろう。」


「いたいからって……魔王って魔族とか魔物とか率いて世界征服とか、世界を破壊するとか……。」


「お主、前にもそんな事言っておったな。……お主にはあやつがそんな奴に見えるか?。」


ダグラスは顎で魔王を指した。

魔王は一生懸命クロウに説明している。

「……見えない。」


大助は魔王を見ながら呟いた。


「じゃろう。だからじゃ。」


ダグラスも魔王を見ながら呟いた。


「あんな魔王じゃから他族からも慕われ、わしも親友になれたのじゃ。……お主の言う魔王は、あやつが倒したのじゃ。」


「…………は?。」


大助はダグラスを見た。


「あやつ前の魔王を倒し、魔王になったのじゃ。」


「それって…………魔王って勇者なの!?。」


大助は思わず大声をあげた。




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