ー18ー
(……俺、何でこんな所にいるんだろ……)
身長の倍以上の高さのある扉。
白い大理石であろう太い柱。
その横には鎧兜を纏った兵士が相向かいで6人並んでいる。
幅の広い赤い絨毯は派手な玉座まで続いていた。
ー大助とダグラスは魔王城の謁見の間にいた。
「あやつに飛ばしてもらわないと、他の大陸へ行けんのじゃ。ついでに何かいい防具でも貰うかの。」
旅の準備を終えたダグラスが大助にそう言って魔王城まで連れてきたのだ。
勿論、大助は同行を断ったのだが、鳩尾を殴られ、気がついたら謁見の間に着いていたのだった。
「……後で絶対殴ってやる。」
ボソリと呟く大助を気にも留めず、ダグラスはフワフワと揺れながら玉座を見ていた。
ーギギーッ
暫くして、2人の後ろの扉が開いた。
「ごめん、待たせて。最近、朝なかなか起きれないんさ。」
そう言いながら、1人の男がドスドスと玉座まで歩いてきた。
身長はだいたい180センチくらい。
体型は中肉中背。
髪は黒の短髪が少し伸びた感じでボサボサ。
黒のシャツに黒のパンツに黒のマント。
所々に銀の刺繍や細い鎖が付いている。
ブーツも黒だ。
玉座に着き、クルリと2人の方を向き座った男の顔は…………。
(…………イケメンとか絶滅してしまえばいいのに………)
大助の心に黒い感情が芽生えた。
「相変わらず無駄に爽やかな顔じゃの。」
ダグラスは少し呆れた感じで言った。
「ん?。しゃーないじゃん、生まれつきだし。てか……ソイツ、誰?。」
男は大助を指差しながらダグラスに聞いた。
「こやつは……話せば長くなるんじゃが……。」
ダグラスは大助のこれまでの経緯を説明し始めた。
「ふぅん……つまりダグのせいで、この世界に来ちゃった人なんだ。」
男はそう言って大助に爽やかな笑顔を向けた。
「災難だったね。あ、僕、魔王。ヨロシク!。」
「あ……はい、宜しくお願いします。」
大助はペコリと頭を下げた。
「敬語はやめてよ、メンドイから。ダグ、話はわかったけど、ダイはどのくらい出来るの?。」
「そうさのぉ……スライムに喰われかかったぞ。」
魔王の問いにダグラスは答えた。
「……マジで!?。ダイ、激弱じゃん!!。大丈夫なん?。」
「じゃからお主に頼みがあってな。こやつに合う防具と……クロウを貸してくれんか?。」
「クロウかぁ。」
ダグラスの言葉に魔王は目を閉じて考えていたが、すぐに目を開けた。
「うん、いいよ。丁度今日、偵察から帰って来たとこだし。」
魔王がそう言うと、兵士が1人、謁見の間を出ていった。
「えっと……ダイとかクロウとか……何?。」
大助はよくわからない状態で話が進んでいく事に不安になり、そう魔王に聞いた。
「ダイは君の事。」
魔王が説明するのと同時に謁見の間の扉が開いた。
「クロウはあの人。僕の母だよ。」
魔王はそう言って、扉を開け入ってきた人を指差した。




