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暫く2人とも黙ったままだった。
大助はダグラスを見ていた。
ダグラスは大助に背を向け、武器や防具を探し続けていた。
「……まぁ、なったもんは仕方ないよ。」
大助がポツリと呟いた。
ダグラスは勢いよく振り返る。
「いや、怒ってない訳じゃないよ。正直、ふざけんなって思ってるし。」
その言葉に俯くダグラス。
「天誠や天飛……息子たちなんだけど、一緒にお風呂入る約束してるし、さゆり……奥さんなんだけど、アイス買ってくるように頼まれてるしさ。」
大助は目を閉じながら続ける。
「大事な家族といきなり離れ離れになって、何だかよく解らない世界に来て……しかも間違えで。」
そこまで言うと、大助は目を開いてダグラスを見た。
「……だけど、怒ったって帰れる訳じゃないしさ。俺は早く家族の所に帰りたいから、今は師匠の言う通りにするよ。」
大助はそう言うとニヤリと笑った
「ただ……とりあえず1発殴らせてよ。」
「お主……。それでいいのか?。」
ダグラスは驚いた顔をしている。
「?。だって、師匠を殺しても帰れないだろ?。」
その問いにダグラスは首を上下に振る。
「だったら師匠を利用して帰るよ。」
「……そうか。…………わかった。」
ダグラスは大助に背を向け暫く黙っていたが、やがてボソリと告げた。
「………必ず、お主を家族の元に帰そう。約束する。」




