ー14ー
「……で、実際身体の調子はどうじゃ?。」
気絶から復活した亀師匠は、不機嫌な声で大助に聞いた。
「特には……いや?。」
大助は何かを感じた。
さっきまで寒さを感じていた筈なのに、今は暖かく感じる。
身体の中を暖かい何かが廻っている感覚がした。
「気づいたか。それがお主の魔力じゃ。わしは水魔法をメインにしておるから、火魔法は[ファイア]しかわからん。」
亀師匠はそう言うと棚の所までフワフワと移動し、大助に1冊の薄い本を投げた。
「後はその本でも読んで覚えればいい。」
本の表紙には【亀でもわかる火魔法・初級】と書いてあった。
「あ…ありがとうございます。」
大助はお礼を言ってペラペラと本を巡ってみた。
内容は呪文とその効果が書いてあった。
「あの……こんな簡単に魔法が使えていいんですか?。」
大助は疑問に思い、亀師匠に聞いてみた。
「?。難しく、時間がかかる方が良かったか?。」
亀師匠が大助を見ながら聞き返すと、大助は首をブンブンと左右に振った。
「うむ。後は……武器と防具か。荷物入れも必要じゃな。」
亀師匠は独り言のように呟くと、火の珠の入っていた箱まで移動し、またガサゴソと探し始めた。
「……あの。」
「何じゃ?。」
大助は1番疑問に思っていた事を聞いてみた。
「何でそこまでしてくれるんですか?。」
亀師匠はその問いに一瞬ピタリと動きを止めた。
「…………。」
大助が答えを待っていると、亀師匠はまたガサゴソと探し始めた。
「えっと……あの?。」
「……わしのせいじゃからじゃ。」
亀師匠は振り向きもせず答えた。
「……は?。」
大助はフリーズした。
「……わしが間違えたから、お主はこの世界に来てしまったのじゃ。」
亀師匠はそう言いながら振り返り、大助にペコリと頭を下げた。
「……すまない。わしは只、帰りたかったのじゃ……青き月に。」
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