ー12ー
ーペチペチ……ペチペチ……
頬に何かが当たる感じがして、大助は目を開けた。
ーバチーンッ!!
「あうっ!!。」
大助は勢いよく吹っ飛ばされた。
ゴロゴロと転がり何かにぶつかって止まった。
「いってぇ……。」
大助は痛みを感じる頬を擦りながら、ゆっくりと起き上がり辺りを見回した。
ガラス瓶や分厚い本が並んだ棚……何に使うかよくわからない器具……ガラクタにしか見えない物がゴチャゴチャ入った箱……甲羅を背負った天誠……。
(?……天誠?)
「て、てん「違う。」まじゃ……ないの?。」
よく見ると赤ちゃん位の大きさの亀が、フワフワと宙に浮いていた。
「やっと起きたか……。」
「えっと……師匠ですか?。」
「うむ。」
「……大きさ違くね?。」
「……そこはフィーリングじゃ。」
亀師匠はそう言って、フワフワと大助に近づいた。
そしてペチッと大助の額に手を当てると、ゆっくりと目を閉じ何やらモゴモゴと呟いた。
「えっと、何を?。」
「少し黙っとれ。」
大助は不思議に思い聞いたが、亀師匠はそう言って黙ってしまった。
暫くそのまま時間が過ぎ、やがて亀師匠はゆっくりと目を開けた。
「ふむ……成る程。」
亀師匠はそう呟くと、ガラクタらしき物がゴチャゴチャ入った箱の前まで移動し、何やらガサガサと探し始めた。
大助はどうしていいかわからず、事の成り行きを見守っていると、亀師匠は何かを見つけ出したようだった。
「うむ。……ほれ、これを飲んでみろ。」
亀師匠はそう言うと、大助の方にポンと何かを投げた。
大助がキャッチして手を開いて見ると、飴玉大の赤黒い珠だった。
「……これを飲むんですか?。」
「……飲んでみろ。」
亀師匠はじっと大助を見つめている。
「……マジで?。」
「マジじゃ。」
亀師匠は目に力を込めてじっと大助を見つめている。
「…………はい。」
亀師匠の目力に負けた大助は、覚悟を決めて珠を飲み込んだ…………が、特に変化はない。
「…………えっと、飲みましたけど?。」
「[ファイア]じゃ。」
大助がおそるおそる聞くと、亀師匠はニヤリとしながら言った。
「???。…………[ファイア]?。」
大助が確認するように呟くと、体中から何かが右手に集まるような感覚がし、掌にソフトボール大の火の玉が現れた。
「(!!!!!!)。」
大助が混乱した。
ソフトボール大の火の玉はゆっくりと宙に浮くと、勢いよく亀師匠へ…………。
「[ウォータ]!!。」
亀師匠は素早く水の玉を作り出すと、火の玉に向かって放った。
ーバシュッ!!
火の玉と水の玉は勢いよくぶつかり、辺りに水蒸気を発生させた。
「お主!!。師匠に向かって何じゃっ!!。」
「す、すいませんでしたぁっ!!。」
怒りで体を真っ赤にさせた亀師匠に、大助は再び土下座するのだった。




