魅せられし心
今回までユリシア視点
フェアネス皇国立魔法学院には、教授と講師がいる。
教授は自分の専門の授業を各クラスごとに行い、教えることを職業としている。
講師は二通りあって、一つは入学してくる王族達に最初から付けられている者たちである。
もう一つは弟子をとるために集まった者たちである。
弟子をとりたい理由は様々で、今飛び降りた剣鬼ザガードは常々こう放言をしている。
「俺にまともに剣で立ち会えるやつはいない、仕方ないから俺が育てる。」
自分と同等以上まで育ったら、たたき切りたいと願う生粋の馬鹿である。
もちろん腕は良い。良すぎる。
だから今まで弟子は一人もいない。
相手をする馬鹿もいない。すでに死に絶えているのだ。たちが悪い。
ザガードは衆目の中、クリスに木剣を渡して叫んだ。
「打ちかかって来い。」
クリスは惚れ惚れするような美しい構えで中段に剣を構え、振り上げた。
ドガン!!!
吹っ飛ぶクリス。起き上がってこない。
「こいつはおれの弟子にする、文句があるやつは誰でもいいからかかってきな。不意打ちでもいいぜ。」
バリバリン!!!
はい、おいしく焦げました。
ザガードは試験場の真ん中で黒焦げになってプスプス煙を噴き上げている。
そう、あなたの言うとおりよ、誰だっていいのよね。
久しぶりに取り出した杖をぬぐっているわたしを見て、周りの先生方がびっくりしてた。
わたしが、ここでは一番強いんだから学院長なんてしてるのよ。
「クリスはわたしが指導します。次の試験に移りなさい。」
「学院長先生!お願いします!!」
また一人の生徒がわたしに受講願いを出してきた。
今まで誰一人来なかったのにね。
この際だから、クリスの学友に何人か選ぼうかしら。
わたしの行動をおかしくしている心にともった灯火が、母性によるものはなく、まして師弟のそれではなく、クリスの炎に魅せられた恋人のそれであることに気が付かなかった。いや気が付かない振りをした。
「おれと結婚してくれ!」
今日何度目だろうか、ザガードが似合わない花束を持ってやってくる。
そのたびにこんがり焼いてあげたけど、すさまじいばかりの生命力。
そうね、
「とりあえず、助手にならしてあげるわ。」
情愛の深い夜叉である院長は意外とまっすぐな愛情にも弱かったりした。
ユリシア学院長
人族夜叉 黒い肌 ショートカット白髪 黒い眼白い瞳 の美女
35才←まだまだ乙女 人族人の2倍の寿命
昔マーリン様命
今マーリン君命
ザガード
人族夜叉 褐色の肌 黒い髪 赤い瞳
無駄の全く無い引き締まった身体 少し危ない系イケメン
37才←まだまだ若造 人族人の2倍の寿命




