四軍集結と、決戦への進軍
第79話:四軍集結と、決戦への進軍
東州の城門の前。決戦の地へ向けて出陣せんとする武田操の前に、一人の青年が駆け寄ってきた。
操の実の弟であり、若くして非凡な軍略の才能を持つ策士――武田嘉明である。
「待ってください、姉さん! 遠藤紹平の呼びかけに応じるのはいいですが、あの男は名門のプライドばかりで大局が見えていない。武闘派の夏山兄さんたちだけでは不安です。……この嘉明を、軍師として同行させてください!」
「ふふっ……頼もしいことね、嘉明。いいわ、あなたのその冴え渡る知恵、存分に振るいなさい」
頼れる軍師・嘉明を陣営に加えた武田操軍は、万全の布陣で盟主の元へと向かった。
一方、盟主・遠藤紹平の広大な屋敷の前には、全国から飛来した檄文に応じた有力者と英傑たちが、怒濤の軍勢を率いて一堂に集結していた。
不当な八つ裂きと仲間たちの死を胸に、九十数人の頭領と湖水郷の水陸の猛者を率いる『葦ヶ原軍』の恵太と智也。
桜の下で義兄弟の契りを交わし、第1皇帝の血脈を掲げて立ち上がった『徳田義勇軍』の徳田玄人、関山長助、張山翼。
漆黒の甲冑に身を包み、鋭い眼光を光らせる『武田軍』の武田操、嘉明、夏山兄弟。
そして、名門の威光を放ち、連合軍の盟主として君臨する『遠藤軍』の遠藤紹平。
互いの野望、義憤、そして誓いが交錯する息をのむような緊張感の中、全軍の前で遠藤紹平が刀を振り上げた。
「天下の志士たちよ、刮目せよ! 帝を傀儡とし、都を焦土に変えた暴王・菫山卓を討ち果たすのだ!……全軍、進撃――ッ!!」
「「「おぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」」」
大地を揺るがす勝ちどきの怒号。
四つの巨大な勢力が一つとなった「反菫山連合軍」は、菫山卓の張り巡らせた絶対不可侵の『第一の関所』を目指し、堂々たる進軍を開始したのだった。




