蒼天の乱世と、揺れる百八人
第二部
第57話:蒼天の乱世と、揺れる百八人
『蒼天、すでに死す――』
都の腐敗と高田修司らの暴政、そして度重なる重税と飢饉により、この国の民の忍耐は限界を迎えていた。
各地で頭に「紅色の頭巾」を巻きつけた民衆が一斉に蜂起。朝廷の役所を襲い、各地で炎が燃え上がる。かつて平和を誇った国は、再び激しい戦乱の荒波へと突き進もうとしていた。
一方、天降の石碑によって108人の生徒と教師が完全に集結した葦ヶ原砦。
絶対的な一大勢力となった彼らの大評定の間では、今後の「生き残る道」を巡り、激しい議論が戦わされていた。
「朝廷の使者と接触し、赦免を得て帰順(招安)するべきだ! このまま野盗・賊軍として生き続ければ、いずれ紅巾の反乱軍と同類に扱われ、国家の全戦力で押し潰される!」
声を挙げたのは、元の世界で優等生であり、規律と秩序を重んじる一部の幹部や教師たちだった。
しかし、それに激怒したのは武闘派の猛者たちである。
「寝ぼけたことを言うなッ! 長谷川先輩の命を奪い、俺たちを追いつめた悪徳の朝廷に首を差し出せと言うのか!」
「そうだ! 朝廷を牛耳る高田修司や祭田京太郎を討ち倒し、この腐った国そのものを叩き潰すのが俺たちの『義』だろうがッ!」
武藤や大八、秦野らが机を叩いて身を乗り出し、場内は一触即発の怒号に包まれる。
帰順して平穏と元の世界への手がかりを得るか、それとも朝廷の権力者たちを撃滅して覇道を突き進むか。
108人の頭領たちをまとめる「正式な総首領」となった恵太と、軍師・智也の前に、試練の選択が突きつけられていたのだった。




