音速のつぶてと、無双の1年生
第53話:音速のつぶてと、無双の1年生
東雲府の堅固な陣城の前。
手に手頃な小石を握りしめ、冷ややかな視線を送る1年生・大田道灌。
「フッ、たかが小石一粒でこの國府田延晴を止められると思うなよ!」
真っ先にとび出していったのは、双鞭の猛将・國府田だった。
二本の重鉄鞭を豪快に振り回し、大田へと一直線に突進する。しかし――
――シュッ! パカァァンッ!!
「ぐあぁぁぁっ!?」
大田のスナップから放たれた小石は、音速を超えた弾丸と化して國府田の兜の隙間を的確に穿ち、その額を容赦なく叩き割った。あまりの衝撃に、國府田は鼻血を吹き出しながら豪快に仰向けにひっくり返る。
「國府田が一発で……!? ええい、教員を舐めるなよ!」
「先生たちの指導を見せてやる!」
続いて飛び出したのは、元の世界での教員である服部先生と奥田先生だった。
それぞれ得意の武器を構え、左右から大田を挟み撃ちにせんと跳躍した――まさにその瞬間。
――ガシャァァンッ!
「うわぁぁぁっ!?」「穴だとぉぉっ!?」
大田が事前に計算し尽くして掘らせていた「完璧な死角の落とし穴」へ、二つの巨体が吸い込まれるように綺麗にハマり込んで撃沈。
「僕の計算した防衛線に、教員も生徒も関係ありませんよ」
その後も、盧山隊から自信満々に躍り出た強者たちが次々と大田へ挑みかかったが――
ある者は顔面に弾丸のような石を喰らって卒倒し、ある者は精密な仕掛け罠に引っかかって生け捕りにされ、ことごとく返り討ちに遭っていった。
「バカな……我が盧山隊の猛者たちが、たった一人の1年生に手も足も出ないだと……!?」
あまりの「石投げ無双」と築城トラップの前に、盧山俊太郎は冷や汗を流しながら呆然と立ち尽くすしかなかったのだった。




