双槍の青木と、築城の石投げ天才
第52話:双槍の青木と、築城の石投げ天才
葦ヶ原砦の「真の総首領」の座を賭け、始まった東鳳府・東雲府の二府同時攻略戦。
恵太率いる本隊が向かった東鳳府を守るのは、二本の長槍を縦横無尽に繰り出す官軍屈指の猛将――『双槍』の青木草平であった。
「葦ヶ原の野盗どもめ! この青木の二本槍の前にひれ伏すか、それとも貫かれたいか!」
気性が激しく、圧倒的な攻撃力を誇る青木の連撃に対し、恵太や宗一郎たちは正面からの真っ向勝負を強いて苦戦を強いられる。
一方――盧山俊太郎と関口勝、青山燕率いる別動隊が向かった東雲府。
そこに立ちはだかったのは、予想をはるかに超える「最凶の1年生」であった。
名は、大田道灌。
元の世界では「全国石切り(水切り)大会」の圧倒的チャンピオンであり、この異世界ではその並外れたスナップと動体視力で、小石を一瞬で音速の「弾丸」へと変える絶対的エースだった。
しかも大田の真の恐ろしさは、ただの「石投げの技術」にとどまらない。
異常なまでに頭の回転が早く、独学で修得した「築城学」の知識を駆使し、東雲府の周囲に隙のない絶対不可侵の防衛陣地を瞬く間に構築していたのだ。
「盧山製菓の社長さんですか。僕の城と石の弾幕を破れるなら、破ってみてください」
狙いすまされた大田の石弾が、関口勝の甲冑を撃ち抜き、武芸者たちの額を的確に叩き割っていく。
地形を熟知した弾幕と、理詰めで作られた要塞の前に、盧山チームは一歩も城門へ近づくことができず、完璧な足止めを喰らってしまうのだった。




