都の脱出と、降伏せし猛将
第50話:都の脱出と、降伏せし猛将
「恵太さん! 智也さん! 助けてください、主人が……盧山社長が朝廷に捕まりました!」
葦ヶ原砦に駆け込んできたのは、盧山俊太郎の忠実な側近であり、元の世界でも彼を慕っていた少年――青山燕であった。
無実の罪で都の牢獄へ投獄され、明日にも処刑されるという衝撃の報せ。
「盧山を死なせるわけにはいかない……! 全軍、都へ急襲をかけるぞ!」
恵太の決断のもと、葦ヶ原軍の総力を挙げた『都襲撃作戦』が発動。
青山燕の案内で刑場へと突入した宗一郎、武藤、大八らオールスター陣は、処刑人の刃を力任せに打ち払い、見事、盧山俊太郎の救出に成功したのだった。
しかし、都を荒らされた朝廷が黙っているはずもない。
怒り狂った高田修司は、官軍屈指の武芸者であり、元の世界では全国レベルの柔道部員だった猛将――関口勝率いる大規模な討伐軍を派遣してきたのだ。
「関聖の再来」と恐れられる関口勝の大薙刀(あるいは重鉄柱)と、柔道仕込みの圧倒的な体幹から繰り出される力技の前に、葦ヶ原の先鋒隊は激しい圧力を受ける。
「朝廷に仇なす野盗どもめ! この関口勝が打たずして誰が打つ!」
だが、ここで動いたのは救出された盧山俊太郎、そして「仮の首領」恵太の人徳であった。
恵太たちは関口の武勇と筋の通った正義感を称え、知略をもって関口を生け捕りにすると、縛を解いて温かく迎え入れたのだ。
「関口さん……腐りきった朝廷のために、その力を使うのがあなたの本望ですか?」
都の腐敗と、恵太たちの掲げる真っ直ぐな義心。
関口勝は己の負けを認め、その圧倒的な武力と討伐軍丸ごと葦ヶ原砦へと下ることを決意した。
「……見事だ、恵太殿。この関口の腕、これよりは天下の正義のために振るおう!」
大商人・盧山俊太郎、その忠臣・青山燕、そして朝廷の誇る超大物・関口勝。
最強のピースを揃えた葦ヶ原砦の勢いは、ついに朝廷すら震撼させる最高潮へと達したのだった。




