遺言の誓いと、仮の首領
第48話:遺言の誓いと、仮の首領
史野恭弥の放った毒矢に倒れた長谷川蓋人。
瀕死の長谷川を担ぎ出し、命がけで葦ヶ原砦へと逃げ帰った一行だったが、猛毒はすでに全身へ回っていた。
「……恵太。俺の……仇を……討った者を……次の……首領に……」
途切れ途切れの最後の言葉を胸に遺し、葦ヶ原砦の絶対的支柱・長谷川蓋人は静かに息を引き取ったのだった。
悲しみと怒りに包まれる葦ヶ原砦。
軍師の智也をはじめ、宗一郎、武藤、大八、さらには新しく加わった國府田らに至るまで、誰もが一致した意見で恵太を推した。
「恵太、お前が次の総首領になってくれ。みんなお前に付いていく!」
「そうだ、長谷川先輩の思いを継げるのは恵太、お前しかいない!」
しかし――仲間たちの切実な眼差しに対し、恵太は静かに首を横に振った。
「ダメだ……。俺は、長谷川先輩の遺言を破るわけにはいかない」
「恵太……!? だが、史野を討ち取るまで首領を空席にしておけるわけが……!」
「分かっている。だから――俺は『仮の首領(代理)』として采配を振るう。史野恭弥を打ち倒し、長谷川先輩の仇を討ったその時、本当の首領を決めるんだ」
固い決意を宿した恵太の言葉に、智也たちは言葉を失う。
己の野心や地位のためではなく、亡き長谷川先輩への誇りと「義」を守るために首領の座を固辞する恵太。
(この男だからこそ……俺たちは命を預けられるんだ)
智也の胸に、確かな確信が宿る。
悲しみを背負い、「仮の首領」として立った恵太のもと、葦ヶ原軍は亡き長谷川の仇・史野恭弥を討つため、そして新たな新たな最強の仲間を迎えるための「次なる戦い」へと動き出すのだった。




