高田の最後と、集いし百八の星々
第45話:高田の最後と、集いし百八の星々
カラクリ兵を全滅させられ、狂気に取り憑かれた高田廉は、己の命と引き換えにするかのような禁忌の自爆妖術を展開した。
見えない重圧が葦ヶ原軍を襲い、兵たちの動きが金縛りのように完全に凍りつく。
「野盗どもめ……道連れにしてやるッ!」
高田は残った手勢を率い、動きの取れぬ葦ヶ原軍の陣形へ自ら命を捨てた突撃を敢行。凄まじい死闘の末、葦ヶ原軍は全軍の実に「半数」を失うという甚大な被害を被った。
だが、捨て身の突撃を敢行した高田廉本人もまた、乱戦の中で宗一郎と武藤の刃に穿たれ、無残な絶命を遂げたのだった。
高田の死によって城は解放された。
地下牢からは、囚われていた名主・柴田が救出され、さらに二子山の大八・志郎・武藤ら清嵐国の豪傑たち、そして篁ヶ嶽で山賊となっていた篠田一行らクラスメイトたちが続々と駆けつけ、固い握手を交わす。
そして――長谷川先輩の説得と、高田の非道に絶望した「双鞭」の國府田延晴もまた、朝廷を捨てて葦ヶ原砦へと入山することを決意したのだった。
「俺の鞭は……これより、理不尽とたたかうお前たちのために振るう!」
各地の猛者とクラスメイトたちが一堂に会し、葦ヶ原砦は官軍すら容易に手を出せぬ「一大勢力」へと膨れ上がった。
しかし、その巨大化は新たな波紋を呼ぶ。
葦ヶ原を倒して一躍その名を全国に轟かせようと目論む、有象無象の勢力が現れ始めたのだ。
霧棲山を根城にする怪しい妖術使い・水田一味もその一つであったが、覚醒した公文勝也の科学道術と猛者たちの前にあっさりと敗北し、膝を折って降伏・服従を誓った。
立ち塞がる敵をことごとく薙ぎ払い、盤石の陣容となった葦ヶ原軍。
だが、智也が『天書三巻』の解読を進める中で示された次なる目的地は、これまでの官軍との戦いとは一線を画す異界の地――北方異民族・『北狄衆』の暮らす極寒の村であった。




