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伏魔の恵  作者: 水前寺鯉太郎


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不気味な傀儡と、からくり使いの顔

第39話:不気味な傀儡と、からくり使いの顔

 挑発状を送りつけてきた高田廉。都の官兵や妖術使いとして恐れられる彼には、もう一つ――極めて凶悪な「裏の顔」が存在していた。

 それは、この国で右に出る者はいないと言われる「随一のからくり使い」という顔であった。

 高田の手元に控えるのは、感情も痛みも持たない無数の「からくり兵士(傀儡)」。

 木と鉄、そして謎の駆動カラクリで組み上げられた兵士たちは、人間を超えた怪力と硬度を持ち、首を跳ねられようが胴を貫かれようが、命令一つで動き続ける死の軍団だった。

「ククク……愚かな人間どもめ。我がからくり兵に、血も涙も通用せんぞ」

 高田廉の戦い方は、極めて冷酷かつ周到だ。

 妖術――大気の電位差や微細な気流を操る術を「送信機(糸)」として使い、遠方から大量のからくり兵士を縦横無尽に遠隔操作する。

 敵がどれほど屈強な猛者であろうと、数に任せた傀儡の波と、予期せぬ部位から飛び出す仕込み刃や毒煙によって、戦況を一瞬でひっくり返してしまうのだ。

「妖術と、死なぬからくり兵の軍勢……か」

 送られてきた情報とからくり兵のカラクリを分析する公文勝也。

 その冷徹な眼光の奥で、気象学と物理学、そして天書三巻の解析に基づいた「対・からくり兵」の撃破戦略が、静かに組み上げられようとしていた。

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