黒竜ヶ丘の要塞と、立ちはだかる万願寺
第31話:黒竜ヶ丘の要塞と、立ちはだかる万願寺
天書三巻を授かり、無事に葦ヶ原砦へと帰還した恵太。
遠瀬灘の仲間や二子山組の合流により、砦の熱気と勢いは最高潮に達していた。しかし、その急速な巨大化を苦々しく思い、潰そうと動き出す脅威が眼前に立ちはだかる。
葭洲の目と鼻の先、黒竜ヶ丘に位置する強力な武装勢力――『万願寺』であった。
一地方の名主でありながら、朝廷の威光を背に受け、膨大な兵力と精鋭の武芸者を囲い込む万願寺の住職・万願寺祝慶。
「官軍に歯向かう葦ヶ原砦の野盗どもめ。我が万願寺の手で根切りにしてくれる!」
万願寺の手によって仲間が捕縛された報せを受け、葦ヶ原砦はついに初の本格的な大規模遠征を決意する。
だが、万願寺は迷路のように入り組んだ竹林と深い罠が張り巡らされた自然の要塞。さらに、北条三兄弟(時宗・氏胤・氏長)や、万夫不当の傑物と名高い武芸師範(元の世界では剣道部顧問)・藤堂遼一、そして隣接する厳門寺から駆けつけた美しき女武者ら、名うての猛者たちが揃い踏みで待ち構えていた。
「初陣だ……! これまでの小競り合いとはわけが違うぞ!」
出撃の太鼓が響き渡る中、恵太、そして軍師・智也の指揮のもと、宗一郎、武藤、大八、志郎、秦野らオールスター勢が出陣する。
しかし――入り組みすぎた地形と、敵の冷酷な罠、そして藤堂らの圧倒的な武力の前に、先鋒隊は激しい苦戦を強いられることとなる。
不条理な現実に抗う108の魔星たちと、黒竜ヶ丘の最強要塞。
葦ヶ原砦の存亡を懸けた、過酷な「万願寺攻略」の火蓋が、いま切って落とされたのだった。




