素晴らしき世界(ジャンル:エッセイ?)
「うーん…… そりゃ平和な世界だろ。 貧富の差がない、誰もが平等で争いのない世界ってやつ?」
僕の「理想の世界ってどんなだろう」と言う疑問に、友人はそう答えた。 友人の答えに僕はひどく納得した。 確かに誰もが幸せでいれる世界、それが理想の形と言えるだろう。 でも現実を見たら、それは恐らく不可能である。 今の世界で犠牲なしに平和は得られない、犠牲を伴って生まれた平和を全ての人が喜べるのか? あり得ない、犠牲があれば流れる涙もある。 人とはそう言うものだ。 だから僕はあえてこう考えた。
「理想の世界って。 争い合う世界なんじゃないかな?」
「はぁ? んなわけねぇだろ。 誰が好き好んで喧嘩なんてしたがるかよ。 お前は変態か⁉︎」
「そうじゃなくて。 なんていうか、誰でも不満は抱えるものでしょ? それを全てさらけ出せる世界、あれは違う、これは正しいと言える世界って。 ある意味理想じゃない?」
「うーん。 要するに、腹ん中で溜め込まない世界? 確かにストレスとかで自分から命を落とす人もいるのも事実だしなぁ。 まぁでも、やっぱ争うだけの世界は虚しいんじゃねぇの?」
確かに。 誰もが不満を抱えず生きれれば本人は幸せになれるかもしれない。でもそこには、やはり犠牲が生まれてしまう。 難しいね、世界平和って。
「ちなみにさ」
「うん、なに?」
「お前にとって、今の世界はどんな世界?」
……そうだな。 毎日のようにどこかで誰かが命を落として。 誰かの嘘が誰かを傷つけて。新たな技術が生まれて、新たな命が誕生して。 それでも平和と言えない世界。 そうして理想を考えれる、この世界は………
「………うん。 意外と、素晴らしい世界なのかも」
僕は笑って、そう言えた。




