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アクターズ-煙と心の炎で「煙技」する、喫演者達の物語-  作者: せんぶり


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「アクターズ」「第十五輪」-ネオニコチンタバコ葉栽培村-

この物語はフィクションです。日本国内では未成年の喫煙行為は、法律で禁じられています。ですが、日本が崩壊してしまった社会なので、各地で法があったりしますが、基本的には誰が喫煙しても良いという背景がこの作品にはある為、描写はその様になっております。

アクターズ「第十五輪」-ネオニコチンタバコ葉栽培村-


あれから1週間。ひたすら歩いた2人は、やがて遠方の方に、畑が広がっているのが見えた。青々とした畑は、メビウスと調葉師の少女に、「ネオニコチンタバコ葉栽培をしている村」の存在を確信させた。

「あれは、間違いなくネオニコチンタバコ葉ね。それもあんなに広大に広がっている。これが、噂には聞いていた北の国のタバコ葉畑なのね...」

「なんて広いんだろう。どんな村でも、こんなに大規模な畑は見た事がなかった。ようやく、北の国に入った実感が湧いてきました。」

「ともかく周辺に人が住んでいる場所があるわ。そこを探してみましょう」

そうして2人は広い畑をそばに、道や集落を探していた。するとやがて、村の門が見えた。

「ようやくあったわね。早速行ってみましょう。」

そして、村には門番がいない代わりに、自警団がいるようだった。村の入り口から入った2人は、自警団の人と話すことになった。

「ここが『タバコ栽培村』と呼ばれる村の一つです。北の国は広大なので、何個もこうした村があるんですよ」

「なので、タバコ葉を狙ってくる輩がたまにいるんです。タバコ葉貴重な輸出資源なので、こうして自警団を村々で作って、警備にあたっているわけです。」

「所で、旅の方は一体何の御用で?」

「私は2級調葉師です。『特急調葉師』を探して、この村に来たのですが、何かご存知でしょうか?」

「うーん、『特級調葉師』ですか...たまに、その弟子の人が買い出しに来たりはするのですが、それも3ヶ月に1回あればいいか。この前来たのは、残念ながらあなた達が訪れるすぐ前の事だったのです。」

「追いかけたりはできませんか?」

調葉師の少女は言う。

「それが、どこに住んでいるのかもよく分からないのです。追ってみた人もいるにはいるのですが、山合いの方に住んでいるらしく、厳しい道のりだったので途中で追うのを諦めてしまったそうです。」

「そうなんですね...なるほど。その山の場所だけでも、何とかわかりませんか?」

「教えてあげることはできますが...ですが、あの山は標高2000mあると『日本時代』の地図には示されていました。無理はなさらない方が...」

「そうですか...情報をありがとうございました。ところで、村の中を散策しても良いでしょうか?1週間歩いてきたので、食料も資材ももう底をついてしまって」

「もちろん、大丈夫です。もしよろしければ、タバコ葉生産の様子もご覧になられますか?調葉師さんと言うことは、隣の男性は喫演者の方でしょう。もしかしたら、見ていて少し楽しいかもしれません。『おみやげ』もありますよ。」

「あら、そんなことまでして頂けるんですか...?ありがとうございます。私も、生でたばこ畑を見るのは初めてで。メビウス、あなたもでしょう?」

「はい。そんな凄いものが見られるなんて...旅をして、世界を自分の目で見るって目標だったけれど、また一つ、良いものが見れるなあ。ありがとうございます」

「ははは、礼には及ばないよ。管理人さんに会いに行こうか」

そうして、2人は自警団の人たちと一緒にタバコ畑へと向かっていった。管理人の人が朗らかに迎えてくれた。

「おやおや、お二人さんは旅の人だね。まあようこそこんな北の国へ。タバコ葉は今収穫シーズンなんだよ。良いものが見れるから、楽しみにしてね!」

そう言って管理人のおばあさんは微笑んだ。

「さて、ここがタバコ葉が栽培されている畑だよ。ネオニコチンタバコ葉は栽培が難しいんだよ。自分で産生したネオニコチンを植物体中に蓄えてしまうから、枯れやすくなってしまうんだよ。だから、技術者が必要なんだよ。ここのタバコ畑では2-3級のタバコ葉管理技術者の人が働いているよ。」

「そうなんですね。タバコ葉が必ずしもうまく育つわけではない、と。そうした技術があって初めて、いいタバコ葉が生まれるんですね。」

「そうなんだよ。ここのタバコ葉が品質がいいのは働いてくれている技術者の腕がいいからなんだよ。」

「調葉師の私からしたら、とてもありがたい存在です。最近はタバコ葉の価格上昇もあって、そんな中いい品質のタバコ葉があって初めて喫演者の本領を発揮できるのですから。」

「この世界は広いよ。そして何より、一本のタバコを喫演者が吸うまでに、調葉師や葉の管理技術者が一生懸命に働いているんだよ。」

「僕は、自分の吸うタバコのことをこんなに深く考えたことはなかった。自分が喫演者として戦う時、沢山の人の支えがあって初めてそれが成り立つんだって今分かってありがたいと共に、旅をしてこうして知らなかったことを知るということが素晴らしいことだと思いました。」

「礼儀正しい子だねえ。そしたら、『おみやげ』の場所にも行ってみましょうか?」

「おみやげ?ですか?」

「そうだよ、さあ、いきましょうか」

そうして2人は小さな木の小屋に通してもらった。すると、大きな乾燥した茶色になったタバコ葉が、テーブルの上に何枚も重ねて置いてあった。ハサミなどの工具も置いてある。天井には紐がかけられていて、タバコ葉の束が乾燥されている。

「ここはもしかして、タバコ葉を収穫して加工する場所ですか?」

「ご名答!そうだよ、私たちはここでそうやって輸出用のタバコ葉を作っているんだ。刻みをして、タバコを撒けるようにする。あそこに座っている技術者も、今タバコを撒きやすいような形状にタバコ葉をカットしている所だよ。」

「なるほど...すごいなあ」

「それで、2人にこれを『おみやげ』にしようとしていたんだよ」

老婆が指差す先には、沢山のタバコ葉が入った袋があった。

「ええ...!?こんなにですか!?そんな、村がたばこ輸出で成り立っているのに、ただやってきた僕たちにそこまで...受け取れません。」

メビウスはそう言ったが、管理人のおばあさんは続けた。

「もちろん、全部持ってったっていいし、少しでもいいんだよ。でも、このタバコ葉には秘密があってね。それは、2級タバコ葉技術管理者が生育した、ネオニコチン濃度のとても高い品質の良いタバコ葉であると言うことなんだよ」

「まあ、そうなんですか。確かにちょっと手に取ってみたけれど、刻みも正確で、何よりこの品種は力を上げる品種の葉。もしかして」

管理人のおばあさんは答えた。

「それを、2人に使って欲しかったんだよ。まあに、老婆心というやつさ。そうすれば北の国のタバコの品質がいいことを2人に宣伝もしてもらえるしさ、オホホ」

「何はともあれ、10本タバコがまけるくらい、葉をいただいていきます。本当にありがとうございます。私も調葉師として、よりいいタバコ葉をまけて嬉しいです。」

老婆は笑顔でうなづいた。そして、話し始めた。

「そうだそうだ、自警団の方から聞いたよ。あなた方、『特急調葉師』を探しているんだって?」

「はい、そうです。」

「あの山を越えるのなら、防寒着が必要だよ。お兄さん方は軽装だから、それではとてもじゃ無いが凍えて死んでしまう。いい仕立て屋が村にいるから、そこで服を作ってもらうといいよ。」

「本当ですか!重ね重ねありがとうございます。ということは、もしかしてあの山の上には、『特級調葉師』が...!」

「そうだよ。多分、あの老人がそうだろう。私も一回しか見たことはこの生涯でなかったが、おそらくあれがそうだろうねえ。向かうのなら気をつけて行くんだよ。」

「わかりました。『おみやげ』、大切に使わせていただきます。今日はこれで宿泊所に向かおうと思います。今日は本当にありがとうございました。」

「明日、仕立て屋の方へちゃんと行くんだよ!久々にいい若者と出会えて楽しかったよ!」

管理人さんに見送ってもらって、宿泊所に2人はたどり着いた。

「メビウス、『特急調葉師』がいるかもしれない場所がわかったわね!これは大きな情報だわ。けれど一旦落ち着く。まだ、何があるかは分からないし、何より防寒着が必要だわ。お金はそんなに無いけれど、仕立ててくれるのかしら」

「確かに...残金はもう30000園しかありません。僕の故郷では靴は一足10000園、Tシャツは8000園、ズボンは12000園が相場ですからね...何かしら、お金を得なければいけないのでしょうか。」

「あのタバコ畑で、私が調葉師としてタバコを巻く手伝いをできないか聞いてみた方が良さそうね。もしかしたらお金がもらえるかもしれない。」

「僕も喫演者だし、自警団のアルバイトをしてみようかなとも思うんですが、よそ者だしなあ...」

「金策は私に任せて、メビウスは情報収集すると言った方が良さそうね。まだ『三大勢力』についても分からないことは多いし」

「わかりました。僕は服の値段を調べて、その後情報収集に回ります。」

「了解。今日は疲れたからもう寝ましょう。」

「わかりました。おやすみなさい。」

そうして2人は床についた。穏やかな月の光が窓から入って、2人を照らす。

その一方、タバコ畑では。

自警団はタバコ畑を見回りしていた。毎日こうしてタバコ畑から盗みなどを働く連中がいないか見回りをしているのだ。すると、何やらガサガサと不審な音がする。

「誰だ!」

自警団の人が近づくと...

「煙技...」

「うわああああ!!!」

村中に叫び声が響いた。

「何があったんだ!」

「タバコ畑の方で何やら悲鳴が!」

「泥棒か、それとも...」

村は夜中だというのに大騒ぎになった。自警団は忙しそうに村中を駆け巡っている。

「一体何の騒ぎかしら...」

「僕も...ふわあああー...分かりません」


村に迫る謎の脅威。メビウスと調葉師の少女はどうなるのか。

このお話を読んでいただきありがとうございます。喫煙者なものでしてタバコの銘柄の違いとか煙の技とかで戦う世界があったら面白そう!と思ってこの作品を描き続けています。

文章が読みにくい、こうすると面白くなる、などのご意見などございましたら是非よろしくお願いいたします。

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