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59話

 富士山ダンジョン攻略開始から約1ヶ月が経過した。

 キマイラ、ワイバーン・ドミネーター、アースドラゴン、フェンリル、ベヒーモス、ヒュドラ。他にも様々な特級モンスターを倒し、レベルが2上がった。みんな追加で2つずつスキルを獲得し、ステータスも向上してさらに強くなった私たちは、特級モンスターも敵では無くなっていた。


 そして今日。


「遂に来た⋯⋯!」


 富士山ダンジョン20階層。そこには、ダンジョンボスが居る部屋へ繋がる大扉があった。

 全容不明だった富士山ダンジョンの最終階層。日本一の難易度を誇るこのダンジョンの最奥に何があるのか。かつて最寄りダンジョンに居た太郎周りの謎はどうだったのか。その答えがある、かもしれない。


 私はアリサ、サーシャ、セリナと手を握り、その大扉を押し開ける。


「良く来たな、待ち侘びたぞ」


 そこに居たのは、巨大な八つの頭、八つの尾を持つ巨大な蛇——ヤマタノオロチだ。


 そして、その八つある頭のうち、一つの頭の上に胡座をかいた男が一人。黒髪で中肉中背の普通の成人男性。気持ち、太郎より顔が整ってるくらいの、普通の日本人男性だ。


「あなたが、このダンジョンのダンジョンマスター?」

「ああそうだ。俺は天野(あまの)(まこと)。お前たちと同じ日本人だ」


 やはり。ダンジョンマスターは普通の人間だ。しかし太郎の時とは違い、謎のズレを感じさせない話しぶりである。


「正確には、俺たちダンジョンマスターは、お前たちの平行世界から来た日本人だ」

「平行⋯⋯世界⋯⋯?」

「もはや異世界と言っても過言じゃないが⋯⋯。俺たちの世界に、こんなダンジョンだのスキルだの、ふざけた理は存在しない。同じ日本ではあるが、お前たちの世界とは根本的にルールが異なる」


 何を言ってるんだ?平行世界?ダンジョンが無い日本?そんなモノがあるってこと?この天野って人は、そんな日本からやって来たの?わざわざ?なんで?


『今明かされる衝撃の真実』

『ダンジョンって人間が動かしてたのかよ!』

『殺人鬼じゃねーか!』

『平行世界って何ぞや⋯⋯』

『いきなり話のスケールデカくね?』


 コメント欄も混乱している。


「なぜ平行世界のあなた達が、私たちの世界にダンジョンなんてものを作り、同じ人間である私たちを殺すの?」

「⋯⋯それが知りたいなら、まずはコイツを倒してみろ。話はそれからだ」


 それだけ告げた天野は、ヤマタノオロチを操り安全な高所へ移る。そして他の頭と尾は、私たちを殺さんと戦闘態勢を取った。


「分かりました。それじゃまずは⋯⋯ヤマタノオロチを倒します!行こう、アリサ、サーシャ、セリナ!」

「当たり前よ!」

「倒しましょう!」

「サクッとやっちゃうよ!」

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