表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
59/64

58話

「はぁぁぁぁぁっ!」

「せいっ!」

「撃ちます!」


『や、ヤバすぎない?』

『あれ全部1級のワイバーンなんだよな⋯⋯』

『100匹くらい居ない?』


 私たちは富士山ダンジョン第2階層にて、久しぶりの配信活動を行っている。


 2階層は、ワイバーンを使役するワイバーン・ドミネーターが出てくる階層だ。ワイバーン・ドミネーター単体は強くない(2級程度)が、無数のワイバーンを召喚・使役する能力が非常に強力だ。


 ここの攻略方法としては、私、アリサ、サーシャの3人が派手な技でワイバーンを引き付ける。

 そしたら、セリナが戦技とスキルを組み合わせ、隠れるワイバーン・ドミネーターを見つけ出し、サクッと暗殺して終わりだ。そして、その暗殺は既に終わっており、死体はセリナが魔法袋に収納済みである。


 ではこれで終わりかと言うと、そうではない。ワイバーン・ドミネーター討伐後も、ワイバーンは統率を失うだけで普通に残存するため、結局召喚されたワイバーンを全滅させる必要はある。つまり、今から残党処理が始まるのだ。


 眼前に迫るワイバーンの群れを見つつ、多重思考(マルチタスク)で配信用ドローンカメラの状態を確認。問題無さそうなので、まずは私からワイバーン狩りを始めるとしよう。


「そいそいそいそい!」

『なんであんな事できるの?』

『リンネちゃまだからなー⋯⋯』

『細かいことは考えるな⋯⋯』


 手頃な近さのワイバーンに向かって跳び、その体に槍を突き立てる。一撃で絶命したワイバーンが落ちる前に、突き立てた槍を鉄棒のように使い、別のワイバーンへ跳び移っては槍を突き立てる。


 この繰り返しで、次々とワイバーンを倒していく。中々頭の混乱する作業だが、新スキル多重思考(マルチタスク)のお陰でなんとか実現出来る。もはや曲芸である。


「『落ちなさい』」

『ひぇっ』

『これが本物の覇気か⋯⋯』

『落ちてきた所を淡々と倒してるな⋯⋯』


 アリサは、新スキルの威圧(プレッシャー)を最大値で発動させ、ある程度格下なら相手を気絶させることが出来るようになった。

 その力でワイバーンを次々と気絶させ、落ちてきたワイバーンをひたすら一刀両断していく。

 特級でも強くない方のモンスターなら気絶させられるらしく、試しにワイバーン・ドミネーターに試したら気絶していた。今回は既にセリナが暗殺済みである。


「全部撃ち落とします!!」

『癒し系サーシャたんからは想像もできないほどバカデカいライフルだ⋯⋯』

『ワイバーン一撃で撃ち落としてない?射撃補助系のスキルじゃないのにヤバくね?』

『あれ一発幾らするんだろう⋯⋯金の暴力(物理)ってことか⋯⋯』


 サーシャは特注のアンチマテリアルライフルに、大抵の物を貫通する回転力を有する特殊弾を装填し、ワイバーンを狙撃している。

 どうせワイバーンを一撃で倒せば黒字なので、この際射撃による費用は考えないものとする。

 みるみる精度が増していく射撃の腕は、既に高速飛行するワイバーンの額を寸分違わず、連続で撃ち落とせるまでに達している。スキル無し、単純な腕前でこれなのが恐ろしい。


「私だけ地味なんだけどー!!」

『ひとっ跳びでワイバーン2体の首を落として着地するのは、全然地味じゃないでしょ⋯⋯』

『なんかめちゃくちゃな高さまで跳んでるけど⋯⋯』

『フルールだからな⋯⋯気にするな⋯⋯』


 セリナは、とにかく沢山ジャンプして、着地するまでに数体のワイバーンを倒すという着実な戦闘スタイルで戦っている。

 本人的には地味で不満とのことだが、こればっかりは各人の向き不向き、適材適所という事で⋯⋯。


 そんなこんなで、100を超えるワイバーン残党を狩り尽くした私たちは、武器を収めてハイタッチを交わした。


「皆どうだったかな?」

『凄すぎた!!』

『こんなのがスタンピードしたら日本終わるくね?』

『ワイバーン1体居れば、一つの市町村丸々滅ぼしてもおかしくないらしいぞ』

『あんなのが富士山から出てきて、各地にワイバーンが散って行ったらとんでもねえな』

『リンネちゃま達のお陰で安全に暮らせます!』

『ありがとうフルール!!』


 コメント欄の反応も上々だ。コメントにもあるように、ワイバーンが1体世に出れば、1級探索者が現場に到着するまでの間に、計り知れない被害が出ることが予想される。その1級探索者も、相性によっては飛行するワイバーン相手にどうする事も出来ない。

 そんなワイバーンを無尽蔵に生み出し、操れるワイバーン・ドミネーターがダンジョンの外に出て、どこかで雲隠れでもしようものなら、リアルに日本の危機と言えるだろう。そんな特級モンスターがゴロゴロ居るこのダンジョンの恐ろしさが伝わったようだ。


 私たちはそれから約2時間、富士山ダンジョン2階層の攻略配信を行い、久しぶりのダンジョン攻略配信は大反響となったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ