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48話

「なっ⋯⋯!な、なんで俺がこんな所に!?」

「この余を呼び寄せたのだ。どのようなマスターか、顔を見るのは当然であろう」

「は、はぁ!?お前有り得ねーだろ!!」


 推定モンスターと、推定一般人。二人は、私たちを他所に良く分からない話を繰り広げている。一般人風の人は、このヤバそうなモンスターが召喚していた。それに『マスター』という言葉。考えられることとしては、この一般人風の人が、このモンスターを召喚した?ということだ。


「ちょっと、どっちでも良いんだけど、この状況教えてくれない?」

「!!そうだ、お前!早くあの女共を殺せ!!何のために高いポイントを払ってお前を召喚したと思ってんだ!!」


 私の言葉に、一般人風の男⋯⋯面倒なので、太郎と呼ぼう⋯⋯太郎はモンスターに吠えた。

 モンスターはその言葉に溜息を吐き、太郎の頭を右手で掴んだ。


「あの程度の供物で偉そうに⋯⋯。⋯⋯そうだ、一つ余の願いを聞けば、マスターの言う事を聞いてやっても良いぞ」

「!なんだ、早く言え!お前の顕現時間はあんまり長くな———」

「では、遠慮なく」


 モンスターはそう言うと、頭を掴んでいる右手の親指を使って、太郎の左目を抉りとった。


「——!」

「うげ、グロ⋯⋯」

「!?ぎゃああああああああああああああ!!!???」

「契約だ。これでマスターの生命力供給は欠かせないが、半永久的に顕現することが可能だ。それに、この器は素晴らしい。命が幾つもあるようだな⋯⋯ククク」


 相変わらず私たちを置き去りに、良く分からない言葉を羅列しながら、モンスターは満足そうに太郎を投げ飛ばした。

 左目が抉り取られ、痛みに悶え苦しむ太郎が気になるが、まずはコイツから倒す必要がありそうだ。


「改めて、初めましてだな劣等種よ。余は悪魔の頂点⋯⋯敢えて言うならば、悪魔王⋯⋯『デーモンロード』といった所だ」

「そりゃどうも。私はチーム、フルールのリーダー、リンネ」

「私はアリサよ」

「セリナ!」

「サーシャです」

「ククク⋯⋯自己紹介、ありがとう。そして、サヨウナラだ!!」


 デーモンロードが一気に接近してくる。

 私は叫ぶ。


「全員、本気装備!対、魔王戦仕様!」

『了解!!』


 私たちを、眩い光が包み込む。


 かつて魔王と戦った最強装備。日本だと、初陣以来に装備する。


 私の武器は、黒ベースに金の模様があしらわれ、杖の先に最高級の魔石が埋め込まれた杖——魔導神杖だ。これは、全属性——特に雷属性の効果増幅、魔法威力強化、魔力消費量軽減、などの効果が付与された相棒の杖だ。

 そして防具は、黒金魔導衣。これまた黒いローブに金のラインが特徴的な装備だ。効果は魔力循環補助、自動修復、高い対魔法防御性能と、軽度の物理防御機能を持つ。

 補助装備は雷魔法の補助を行う指輪と、物理ダメージを肩代わりしてくれる指輪、後は魔法数回分の魔力をストックしてある指輪の3つだ。


 アリサの武器は、真っ黒の金属に紅蓮の刃紋が浮かび上がる剣——紅鋼魔剣。魔王軍幹部の外装を素材にした魔剣であり、アリサの意思と魔力により、様々な状況に適応する長剣である。

 盾は、大きな獅子の意匠が特徴的な盾——獅子王盾。衝撃分散機能や魔力障壁機能、使い手の姿勢補助機能など、防御に特化した能力を保持している。

 防具は黒銀のフルプレート。名前は不明。アリサもただ『鎧』としか呼ばない鎧。効果不明。多分強い。なんせ獅子王盾で防ぎ切る所しか見たことがなく、アリサも鎧のことを話したがらないので、全く情報なし。

 鎧に付いている赤いマントは、補助装備の戦域布。味方からの視認性向上と、敵のヘイトを上昇させる効果を持つ。派手さ重視だ。


 サーシャの武器は、白金の杖の先端に、紫の魔石が輝く——星詠ノ杖。効果はざっくり、私の魔導神杖のバフ魔法、デバフ魔法、回復魔法特化バージョン、といった感じだ。

 防具は白と紫の多層ローブ⋯⋯星織装。こちらも私の黒金魔導衣のサーシャバージョン、って感じの能力だ。また、やや防御性能が私の防具より弱いものの、装備者並びに装備者の周囲にいる味方の精神力を大きく向上させる力を持つ。

 補助装備は全体へのリジェネ効果を撒き散らすネックレスと、私と同じ魔力ストックの指輪が2つ、物理攻撃を肩代わりする指輪が1つだ。


 セリナは、特に凝った意匠の無い無骨な二本のダガーナイフ——風雷双剣を持つ。異世界も風神雷神がセットになっていて、それぞれの力を宿す二本一対の神剣だ。効果は装備者の速度強化に、片方は風属性、片方は雷属性の属性攻撃を可能とする。

 鎧は革を主体にした軽装——空走革鎧。空を飛ぶ魔物の素材から作られたそれは、装備者の加速補助や可動域の補助に加え、落下衝撃軽減と若干の空中歩行を可能にしている。

 補助装備は太もものベルトで、登録しておいた装備を魔力が尽きるまで、コピー品を生成し続けることが出来る。つまり、あそこから無限に投げナイフなんかを出すことが出来るのだ。装備の強さや素材に応じて、消費する魔力は異なる。


 これらが私たちの本気。対魔王戦仕様の、ガチ装備だ。


「ほう⋯⋯光が劣等種達を包んだと思えば⋯⋯なんだそれは、変身でもしたつもりか?」

「さぁ、どうだろう。けど、今からの私たちは、さっきまでよりずっと強いよ!!」

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