31話
文化祭編スタートです
「1学期も残すところ僅かかと思いますが、楽しみなことはありますか?」
「文化祭!!」
私は、サーシャが拾ったコメントに即答する。そう、そろそろ我が校1学期のメインイベント⋯⋯文化祭が始まるのだ!
1学期にあるのは珍しいかもしれないが、私にとっては文化祭を楽しんだ後、夏休みが訪れるのが最高で大好きなのだ。
アリサ、サーシャ、セリナの3人も、高校に行く前にどういう行事があるかは一通り説明したし、最近はクラスの出し物をどうするか?等の話し合いも始まっている。3人とも、あれか!という顔をしていた。
「皆はクラスでやる文化祭の出し物、何するの?」
「うちのクラスは男装&女装喫茶、をやるらしいわ」
「えー!絶対行きたい!セリナ、サーシャ、一緒に行こう!」
「いいねー!」
「アリサさんの男装、見てみたいです!」
「は、恥ずかしいからあんまり来ないでほしいんだけど⋯⋯」
顔を赤くしてそっぽを向くアリサに、私たち3人はニヤニヤが止まらない。メイド喫茶でメイド服を着るアリサも見てみたいが、執事の格好をしているアリサに、「お嬢様」と呼ばれるのも悪くない。いや、とても良い。
『何それ見たい』
『一般開放は!!一般開放はありますか!!』
「ごめんねー、うちの高校、昔から一般開放してないんだよね⋯⋯家族は来れるんだけど。当日写真撮って皆にも見せてあげるから、それで許して!」
『生で見たかった⋯⋯』
『実物の男装アリサ様なんか見たら、私死んじゃう』
『これ、同じ学校の子と、その家族羨ましすぎない?』
『ワンチャン、家族参加の権利を売買されたりするんじゃないか?』
『お前らやめとけよ』
コメント欄で危惧されてること、確かに有り得ない話じゃないな。一応先生には言っておくとしよう。
「サーシャのクラスは?」
「私のところは屋台で焼きそば屋さんやるみたいです」
「焼きそば屋さんか〜!食べに行きたい!」
「ぜひ来てください!」
『サーシャたんの焼きそば食べたい!!』
『青春やなぁ』
『サーシャ焼きそば、みたいなカップ焼きそばあったら1年分買います』
サーシャの所は焼きそば屋か〜良いなぁ、作りたいな焼きそば。なんか、ザ・文化祭って感じがする。
「セリナは?」
「ウチは劇やるんだって。私は風の精霊役!」
「面白そー!それも皆で見に行こうよ!」
「面白そうね、行きましょう」
「はい!行きます!」
『似合うなー!』
『セリナちゃん、風って感じするもんな!』
『なんで俺はフルールと同じ高校に通ってないんだ⋯⋯』
『どんだけ徳積んだらこの文化祭に参加できるんですか?』
セリナは劇か〜!くぅ〜、文化祭って感じでワクワクするなぁ!良いね良いね!
「あれ?リンネの所は何するの?」
「うちのクラスはお化け屋敷!」
「お、お化けですか!?」
そういえばサーシャは、幽霊とかそういうの苦手だったな。ダンジョンでも、アンデッド系のモンスターは苦手にしている。
一方、面白そうだとワキワキしているのはアリサとセリナ。これは二人に連れられて、サーシャもうちのお化け屋敷に来るコースだろう。
ふっふっふ⋯⋯私は異世界の魔法をフル活用して、本気のお化けを目指す事にしている。せいぜい楽しみにしてるが良いさ⋯⋯くっくっく。
「そういえば、文化祭って個人の出し物とかも出来るんだよね?私達も何かしよーよ!」
「良いわね。私は賛成よ」
「わ、私も大丈夫です」
「え、えー⋯⋯それはなんかちょっと恥ずかしいな⋯⋯」
『フルールの出し物、見たい見たい見たい見たい』
『絶対人気間違い無いって!』
『恥ずかしがるリンネちゃま可愛い』
ここで、個人の出し物について話が出た。例年、ダンスやったり漫才やったり、オタ芸やる人とかもいるのだが、文化祭大好きっ子の私も、これはなんか恥ずかしくて出た事が無かった。
しかし、コメント欄は皆見たい見たいと言っているし、アリサ達もやりたそうな目でこちらを見ている。⋯⋯仕方ないか⋯⋯。
「分かった⋯⋯やろう」
「やったー!そうと決まれば、グループ名はフルールで申請出しとくねー!」
「ありがとうセリナ」
「ありがとうございます!」
セリナが嬉しそうな声を上げ、私たちの文化祭個人発表参加が決まった。
学校側に許可を貰って、動画撮影してDIVEに投稿しよう。仕事だと思えば、幾らか恥じらいも少なくなる。我ながら良いアイデアだ。
『出し物何するのー?』
『(このコメントは削除されました)』
『(このコメントは削除されました)』
『王道でダンスとか?』
『歌とか聴いてみたいかも!』
『(このコメントは削除されました)』
『楽器弾けたらバンドとかアツいよな!』
『劇も見てみたいなー!』
『スキル使って模擬戦とか』
『学校壊れるだろそれ⋯⋯』
『(このコメントは削除されました)』
なんかずっとBANされるコメントしてる奴いるな⋯⋯どうせ水着コンテストしろとか、そういう事言ってるんだろう。自重しろ。
でも確かに、何をしようか⋯⋯。文化祭まであと2週間くらい。そんなに練習時間は確保出来ないから、バンドとか劇は難しいか。模擬戦?論外。
「皆はしたいヤツある?」
「私は特に何でも良いわよ」
「私は久しぶりにダンス踊りたいなー!久しく踊ってないし!」
「私は歌が良いです⋯⋯」
なるほどなるほど。サーシャは歌、セリナはダンスが踊りたいと。ということは、歌って踊る出し物が良いかもしれないな。
『歌にダンス!?』
『ライブやんけ!!』
『遂にフルールのアイドルデビューが決定したんですか!?』
『50000円:初ライブ代です』
コメント欄が勝手に盛り上がってる。けど確かに、アイドルソングを歌って踊るのはアリかもしれない。私はともかく、3人はとびきり可愛いし、アイドルデビューの打診も、有名企業から幾つも来ている。ここは一つ、私たちのアイドル性を知らしめるのも悪くないかもしれない。
「よーし、決めた!そしたら私たちは、ライブやってみよう!」
こうして、私たちの出し物は、アイドル?ライブ?とにかく、歌って踊ることが決定した。
この事は、各SNSで大きな注目を集めた。『遂にアイドルデビュー?』『フルールのライブに全世界が注目』と、大袈裟なネットニュースが乱立した。もう何しても話題になるから驚かなくなってるけど、1高校生の文化祭でこんなに話題になるなんて、みんな暇なんだなぁ。
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