第96話 会議前 〜兄ラブドラ子 ひな〜
兄さんは私にとってこれ以上ない完璧な人。
生まれた時から一緒にいるんだからこれ以上の運命ってないと思う。
体が弱かった兄さんはよく入退院していたけれど
家にいるときはいつも一緒だった。
手術をして少し丈夫になった時はすごく嬉しかった。
一緒に学校に通えるねって喜んだ。
一学年私の方が上になったけれど同じ学校に通うことができた。
でも学校に通い始めてからしばらくして兄さんは変わってしまった。
最初は楽しそうにしていた学校の用意も憂鬱そうにしていて
でも私が心配して手伝おうとすると平気だって拒否された。
兄さんが段々離れてく気がして怖かった。
そのころウワサが流れ始めた。
一学年下でひどいイジメが起きてるらしいと。
でも気づかなかった。兄さんはいつも心配させないよう
気を使って笑うのが得意だったから。
私は兄さんを助けられなかった。
ある夜、兄さんを問い詰めた。
偶然見えたノートに書き殴られた中傷
無理やり服を捲り上げ、体の痣を見つけた私が
泣いて一緒に戦うことを伝えると兄さんは笑ってみせた。
そんなことに、これ以上ひなの時間は奪えないって。
大丈夫、なんとかする。
それは優しい悲しい嘘だった。
翌朝、母親の悲鳴で起きた。信じられなかった。
だから、葬式の日、私は儀式をすることにした。
学校に火をつけて、家に火をつけて
兄さんと二人で家に留まった。
誰も私たちの絆は奪えないのに。
私がこのまま兄さんから、離れるわけ、ないじゃない。




