第75話 暴走し始める歓楽街
オタ狼のスキルはこの転憑依者の中では
人数が揃えばかなり強いと思うけれど
1人では戦いに不向きな集団戦闘用スキルである。
その上ライフが一つしか残っていないため
中級スキルも使えない。
そのため今できることは単純な肉弾戦だ。
長い爪を振り回しても俊足でケリを入れても
すべて空振り、目には焦りが浮かぶ。
死んでもなお、他人を信じているその日本人らしさ。
私けっこう好きだよ。
まだ迷ってるからこそ飛び込んで来ないんだ。
この童貞野郎にカツをいれなくちゃ。
「私の能力でねっ 脳内物質上昇って言うのがあるんだ。
もしコレでアドレナリンを最高まで上昇させたら
あなたどうなると思う?ねえ?」
「くっそ、お前何考えてんだよ
当たれっ ちくしょうっ やらせろっ!!」
「あははははっ まだかな?
まだ足んないのかな? 刺激が、欲しいのかな?」
徐々にアドレナリンを増やしていくと
自然とオタ狼の初級スキルが暴走を見せ始めた。
周りの、オタ狼にとって配下である仲間たちに
スキル効果が発生し、舞台に上がろうとしてくる。
もちろんそこはピンクスキルによる結界があるので
最初から複数プレイを希望していないみんなは
はじき出される。そうなるとどうなるか。
暴走しはじめた全員が冒険者同士で争いに発展していく。
今日強さを見せた人たちはオタ狼の配下ではないため
配下統制スキルは効果をださず
なんとか守りに徹して被害がでないように食い止めている。
でも時間の問題だよ。別にこの歓楽街好きだけど寿命の長いわたしには
壊れたって何度でもやり直しのできる場所でしかないんだから。




